325:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/07/21(土) 22:46:58.80 ID:Wn08l/310
「暑いわあ。あの黄色いのがソーラーパネルなら、うちにケーブルひいてクーラー、がんがんにかけるのにー」
大きな胸を揺らしながら、女性が一人出てきた。
がらがらと音がする引き戸。
玄関からは白黒の犬が一匹。
326:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/07/21(土) 22:49:59.70 ID:Wn08l/310
「ねえー、トルク」
起伏のある、曲線の多い、女性らしい躰。
蒼い髪の色で、てっぺんにはどこにも属さず独立した毛がぴょこんと立っている。
裸足にサンダル、ゆったりとした紺の半ズボンに半袖の白いシャツ。
327:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/07/21(土) 22:54:02.16 ID:Wn08l/310
「千早ちゃん、遅いわね、まだかしらー」
しゃがんで、トルク、と呼んだ犬に話す。
はあはあと舌を出しながら、息が荒い。
「あなたよりは涼しいわ、ごめんなさい。そんな瞳で見ないでー」
328:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/07/21(土) 22:57:01.07 ID:Wn08l/310
「トルク、ゴー!」
大きな声で言うと、犬は跳ね起きて駐車場のほうへ駆けていく。
二つの意味で、凄まじい反転である。
一つは肉体的な反応。
329:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/07/21(土) 22:59:32.43 ID:Wn08l/310
駐車場、というのは家の裏手にある、何もない所を指して言っている。
実際に、二人はここに駐車しているし、お客さんも停めることが多い。
幹線道路からは少し奥に入った坂の上に位置している。
そこに、青いZZRが入ってきた。
330:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/07/21(土) 23:02:24.20 ID:Wn08l/310
「今日も調子が良い。綺麗に鳴ってくれた」
そう独り言を呟いて、ギアをニュートラルに入れ、エンジンを切る。
サイドスタンドを立てながら白いヘルメットを外し、バイクと同じ青色の髪を振りながら言った。
額には汗が、銀色の水玉のように滲んでいる。
331:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/07/21(土) 23:05:06.18 ID:Wn08l/310
「トルク、ただいま」
「千早ちゃん、おかえり」
もちろん、返事をしたのは家のほうから来たあずさで、犬では無い。
「ただいま、あずささん」
332:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/07/21(土) 23:08:04.28 ID:Wn08l/310
歩きながら、通気性が良さそうな、薄手の白いライダースーツ、
その前のジッパーを開けてキャミソール一枚になる。
あずさと比べると、ずっと起伏に乏しい躰のラインだが、
すらりとした体型が、上から下まで統一されていて、美しさを感じられる。
333:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/07/21(土) 23:11:12.47 ID:Wn08l/310
「あっ、シャンプーが切れそうなんだった!」
悔しそうに言った。
「すっかり忘れていたわねー。しょうがない、今度買わなくちゃ」
外に干してあったズボンを渡して、あずさが言った。
334:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2012/07/21(土) 23:13:31.95 ID:Wn08l/310
「早く着替えなさいよう」
薄いピンクの下着が、白い肌に良く映えた。
「よし、行ってきます」
「待った、靴、そのままじゃない」
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