92:律「うぉっちめん!」[sage saga]
2012/07/02(月) 22:44:43.64 ID:LPqSPWEC0
私は小走りで唯に追いつく。
澪『唯! ちょっといいか!』
唯『およ。澪ちゃん、おっはよ〜』
澪『あ、ごめん、おはよう。あのさ、収録の前に話したい事があって…… その、二人だけで……』
唯『なぁに? もしかして、愛の告白?』
澪『そ、そんなワケ無いだろ!』ドキッ
唯『えへへ〜、残念! んじゃあ、なになに?』
澪『……今回の曲、“GO! GO! MANIAC”だけどさ』
唯『うんうん』
澪『何て言うか、これまでのシングルの売れ行きとか、プロデューサーの期待とか、その、
私、舞い上がっちゃってっていうか、張り切り過ぎたっていうか……』
唯『楽しい歌詞だよね。歌うのが楽しみだなぁ』
澪『で、でも、あの、詰め込み過ぎみたいな…… ムギの曲も考えずに…… もしかしたら
唯、すごく歌いづらいんじゃないかって……』
唯『あー、確かに最初聴いた時、私には歌えないかもって思っちゃったかな』
澪『や、やっぱり…… そうだよな……』ズーン
唯『でもね』
澪『ん……?』
唯『放課後ティータイムの私なら歌えると思う』
澪『ど、どういう事?』
唯『あのね、お風呂場とかカラオケとか、素の私だったら、たぶん歌えないと思うんだ。
すごくキーが高いし、息継ぎ出来ないくらい早口になるし』
澪『うん……』
唯『でも、澪ちゃんとムギちゃんが作った曲、それを放課後ティータイムのボーカルをしてる
私が歌うって思うと、出ないキーも出るような気がするし、早口の歌詞でも口が回る
ような気がするんだ』
澪『そんなものなのか……?』
唯『うん! たぶん、放課後ティータイムっていうバンドとメンバーのみんなが、私の背中を
押して、助けてくれるんだよ!』
澪『そ、そっか……』
唯『そうだよ! さあさあ、澪ちゃんの悩みが解決したところで、いざ収録にしゅっぱぁ〜つ!』グイグイ ダダダッ
澪『わわっ! こら、唯! 押すなって!』
唯はそう言ったが、私は不安だった。
そんな精神論で解決出来れば、世界中のシンガーがセラピーから解放されるだろう。
しかも、唯が収録直前に言い放った提案は、その不安を更に増大させた。
録り直し無しの一発収録。それもオケではなく五人の演奏で。
律やムギはノリノリだったが、私は申し訳無さと緊張で、誇張じゃなく嘔気を催していた。
律『ワンツッスリッフォッ!』カンカンカンカン
前奏が始まった。
失敗しないように。私も、唯も。
唯『やばい 止まれない 止まらない♪
昼に夜に朝に singing so loud♪
好きなことしているだけだよ girls go maniac♪
あんなメロディ こんなリリック♪
探していきたいんだ もっともっと♪
みんな一緒にね♪
chance chance 願いを jump jump 掲げて♪
fun fun 想いを shout shout 伝えよう♪
ミスったらリハって事にしてもっかい!♪』
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