27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/24(木) 21:50:09.71 ID:t/gaNw6Qo
そんな僕の感傷には気がつかず妹は話を続けた。
「この間の朝、副会長さんが先輩を責めてたでしょ? あの時あたし頭が真っ白になって、先輩のことを責める副会長さんが許せなくて・・・・・・あの時にはもう先輩のこと好きになってたのね、きっと」
僕はもう何も言葉にできず黙って僕の手の上で動いていた妹の小さな手を捕まえてぎゅっと握り締めた。
「多分、あたし副会長さんに嫉妬もしてたんだと思う。それで次の日にお兄ちゃんと女さんがいちゃいちゃしてて」
やっぱり辛いのだろう。彼女はそこで俯いて言葉を止めた。
「でもその日も先輩は優しくて、あたしのために自分には何の得にもならないことをしようって言ってくれて」
「・・・・・・うん」
「先輩がお休みしている間、とにかく寂しくて仕方なかった。でも、そのおかげで自分の気持に初めて向き合うことができたの」
「それでメールなんかじゃ嫌だから直接先輩に告白しようって思った。あれだけいろいろアピールしたのに先輩何もしてくれないんだもん」
妹の告白もこれで終わりのようだった。
「先輩、大好きよ。あたしのこと見捨てないでね」
「・・・・・・何を言ってるの。それこそ僕のセリフだよ」
「相変わらず無駄に自己評価が低いのね。あと先輩、あたしのこと過大評価しないでね。あたしは女神でも何でもないんだから」
僕たちは再び抱き合った。人生の絶頂にいたといってもいいその瞬間、さすがの僕ももう疑う必要は何もなかったのだけど、妹が女神という単語を口にしたことが少しだけ僕には気になった。もちろんそれは考えすぎだったのだろうけど。
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