過去ログ - 女神・2
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3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/23(水) 23:06:39.10 ID:ekos52i6o
「そんなんじゃないよ。部活の後輩」
 僕は戸惑いながらもとりあえず母さんのからかい気味の誤解を解いた。それにしても妹が僕の家を訪ねて来るとは予想外にも程がある。以前からいきなり教室に訪ねて来たりしたことはあったけど、まさか休日に自宅に尋ねてくるとは感がえたことすらなかった。

 母さんが僕の言い訳をどう思ったかはわからないけど、もう僕をからかうのはやめたようで、じゃあ入ってもらうねとだけ言って再び階下に下りていった。

 少しして母さんに案内された妹が僕の部屋に入ってきた。相変わらず気後れする様子がない妹だったけど、かと言って馴れ馴れしい様子もなかった。これなら母さんも彼女に好感を抱くだろう。

「先輩、こんにちは」

「あ、うん」
 僕の返事は自分でも予想できていたようにぎこちないものだった。母さんはそんな僕の反応を見て内心面白がっていたようだった。

「わざわざお見舞いに来てくれてありがとう。もう熱も引いてるしうつらないと思うからゆっくりしていってね」
 母さんは妹にそれだけ言って部屋を出て行った。

「あ、はい。ありがとうございます」
 妹も礼儀正しく返事した。

 母さんが部屋を出て行った後、僕たちはしばらく黙っていた。僕は妹の姿を盗み見るように眺めた。学校で見かける制服姿の妹は守ってあげたいという男の本能を刺激するような、女の子っぽく小さく可愛らしい印象だったから、僕は何となく私服の彼女ももっと少女らしい格好をしているのだと思い込んでいた。いくらリアルの女子のファッションに疎い僕でも、さすがにギャルゲのヒロインのような白いワンピースとかを期待していたわけではないけど、妹なら何というかもう少しフェミニンな、女性らしい服装をしているものだと僕は勝手に想像していたのだった。

 そんな童貞の勝手な思い込みに反して妹の服装は思っていたよりボーイッシュなものだった。別に乱暴な服装というわけではなく、それはお洒落だし適度に品もあってこれなら服装に関しては保守的な僕の母さんも眉をひそめる心配はなかっただろう。そんな妹は僕の方を見てようやく声を出した。


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