746:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/04(土) 23:11:39.23 ID:3WBNpidgo
「そのことを妹友ちゃんに愚痴ったんですね。あたしと会長先輩のことを副会長先輩が嫉
妬して嫌がらせするのって。あたしは別にそういうのは気にしないけど、会長先輩が気に
してそうでかわいそうだったから」
妹はやはり勘違いしているらしい。姉さんは幼馴染のことを気にして生徒会に顔を出さ
なくなった不甲斐ない会長を責めただけなのだ。姉さんは別に会長になんか好意はない。
それにしても妹ちゃんが堂々と俺に対して会長との付き合いを認めるとは思わなかっ
た。
「妹友は何だって?」
「え?」
妹は少し驚いたようだった。
「え? って何で」
「そう言えばさっきも呼び捨て・・・・・・。兄友さん、妹友ちゃんのこと知ってるんですか」
妹友を呼び捨てにした俺の言葉に妹は驚いたようだった。そう言えば俺と三姉妹が幼馴
染だということは、兄と妹、それに幼馴染さえ知らないのだった。今となっては別に隠す
こともないだろう。
「知ってるよ。副会長と妹友とは小さい頃から幼馴染だったし」
「知りませんでした・・・・・・ひょっとして、副会長先輩と妹友ちゃんもお互いに知り合いな
んですか?」
妹は驚いたようだった。
「知り合いどころか姉妹だよ。苗字が一緒でしょ」
「・・・・・・知らなかった。何で黙ってたの?」
「別に理由はないよ。妹ちゃんがあの姉妹と親しいなんて知らなかったしさ」
「そうか。もしかして妹友ちゃんもお姉さんの副会長先輩と同じで、会長のことが好きな
のかな。ひょっとしてあたし、妹友ちゃんに悪いこと言っちゃったの?」
それはない。妹も自意識過剰もいいところだ。自然にそういうことが言えるのは妹らし
い。それでもそれは明らかに妹の勘違いだった。姉さんも妹友も俺のことが好きなのだか
ら。妹友がショックを受けたとしたら、自分の姉が俺ではなく会長のことを好きなのかも
しれないと知って動揺したせいなのだろう。でも、妹友の俺への執着を考えると姉さんが
俺ではなく会長のことを好きなのだと考えてしまったにせよ、喜びこそすれ別に悩むよう
なことではないはずだ。
妹の話は妹友が倒れるような話だろうか。妹友はやはり単純に体調不良なのかもしれな
い。
妹友と姉さんのことは心配だったけど、いい機会なので俺は妹が何を考えているのか知
りたいと思った。こいつの兄への想いや幼馴染に兄を託したときの心境とか、いろいろと
知っておきたいことはあった。
「妹ちゃんってさ、兄のことが一番大切で好きなのかと思ってたよ」
俺は真面目に言った。兄と女のこととは別に、このことは一度ちゃんと聞いてみたかっ
た。下世話な好奇心がないといえば嘘になる。俺は一人っ子だったから、異性の兄弟がい
るやつの気持ちは想像できなかった。それでも妹の兄への依存については幼馴染からよく
話を聞かされていたものだ。二人が育って来た境遇を知ったら、そういう妹の兄への依存
心は誰にも非難できないってあいつはよく話していた。
「お兄ちゃんは大切な人ですよ」
妹は顔色も変えないで即答した。何でそんなことを聞くのかということさえ口にせず。
「でもさ、今妹ちゃんの一番大切な人って彼氏の生徒会長なんじゃないの」
「何でそんなこと聞きたいんですか。兄友さんには関係ないでしょ」
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