過去ログ - 騎士「私のために剣を作れ」 鍛冶屋「いやだ」
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162:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[saga]
2012/05/31(木) 22:21:57.16 ID:1c5644Tl0

鍛冶屋「・・・・・・俺はな、小さい頃の記憶が無いんだ」

騎士「記憶が、無い?」

鍛冶屋「ああ。 朧げには覚えているんだ。 だが、ほとんど無いといってもいい」

鍛冶屋「かすかに親父、のような人の顔は、思い出せ・・・・・・そうで、思い出せないんだ。 あと、兄弟が・・・・・・いたようないなかったような・・・・・・」

騎士「はっきりしないな」

鍛冶屋「そうなんだよ。 けどな・・・・・・」

騎士「けど?」

鍛冶屋「なんとなくだけど、幸せだったような気はするんだ・・・・・・」

騎士「・・・・・・そうか」

鍛冶屋「で、話を戻すが、記憶を無くして、気づいた時にはすでに、腕はなかった。 それで、目が覚めた時から世話をしてくれた師匠が、その後腕を作ってくれたんだ」

鍛冶屋「なんでも、片腕をなくした俺を担いでいた男が、師匠に頼み込んだみたいなんだ。 “こうするしかなかった。 この子を頼む”ってな」

鍛冶屋「師匠はその男と知り合いだったみたいでよ。 俺を引き受けて、鍛冶屋に育て上げた。 ていうか、俺が師匠のものまねをしている間に、のめり込んでいったんだけどな」

騎士「その男、もしかして・・・・・・」

鍛冶屋「どうだかなぁ。 親父なのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。 まぁ、今となってはどうでもいいことだ」

鍛冶屋「腕のほうは、年齢に合わせて、幾つもストックを作ってくれていたんだが、あの日、キマイラに食われた腕が最後の腕だったんだ」

騎士「そう、だったのか・・・・・・」

鍛冶屋「だからよ、まぁ、こうして新しい腕を作っているってわけだよ」

騎士「なるほどな」

騎士「・・・・・・そ、そういえば、以前、私に鍛冶をさせてくれると言っていたな?」

鍛冶屋「あぁ? そんなこと言ったか?」

騎士「・・・・・・言った。 絶対に言った」

鍛冶屋「いや、でも、今は・・・・・・」


騎士「さて、じゃあさっそく、鍛冶屋の腕を作るか。 この金槌を使えばいいのか?」


鍛冶屋「あ、ちょっ!? おい!!」


騎士「ふふん、遠慮などするな。 私は貴様に借りがある。 今こそ返すべき時ではないか」


鍛冶屋「いや、それはまた今度でいいから!!」


騎士「初めてだが、手ほどきの程、よろしく頼む」


鍛冶屋「だから待ってって!!」」






騎士「さぁて、貴様の為に、腕を作るぞ!!」



鍛冶屋「やぁめぇてぇくぅれぇぇぇぇぇ!!」


                        FIN


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