427:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/12(火) 14:02:13.92 ID:7Trnb00oo
翌朝、俺は六時半に目をさました。さましたが、なんとなく気分が晴れなかったので二度寝した。
次に起きたのは二十分ほどあとで、そろそろ七時になる頃だった。
俺は枕元に置きっぱなしにしていたスプライトを飲み干してから再び寝転がり、天井を眺める。
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2012/06/12(火) 14:02:41.12 ID:7Trnb00oo
「起きた?」
とドアがノックされる。俺はベッドにもぐったまま答えなかった。扉が開く音。
俺は罰に怯える子供のように息をひそめる。
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2012/06/12(火) 14:03:11.01 ID:7Trnb00oo
妹は呆れたように溜め息をつくと、部屋から出て行った。
俺は部屋の中にひとりぼっちになる。やりました。俺は自分の尊厳を取り戻しました。
戦いはいつも空しい。枕も今日はそっけない。
430:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/12(火) 14:03:36.77 ID:7Trnb00oo
制服姿の幼馴染は当然のように俺の部屋に立っていた。
俺は溜め息をつく。いいかげんにしろと言いたい。どうして俺の部屋をノックしたりするんだ。
「おはようございます」
431:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/12(火) 14:04:11.04 ID:7Trnb00oo
そうか? 嫌いじゃなければ、いいのだろうか?
毎朝起こしにきてもらったり、弁当を作ってもらったりして? 一緒に登下校したりして?
あまつさえ付き合っているふりをしたり? 「嫌いじゃないなら」そこまでしてもいいんだろうか?
432:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/12(火) 14:04:36.88 ID:7Trnb00oo
「いいじゃないですか、べつに」
彼女の表情には、怒りにも似た焦りの影が映っていた。
433:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/12(火) 14:05:18.66 ID:7Trnb00oo
「なんだか、近頃は空が鬱陶しい感じですね」
幼馴染の言葉に、どんな感じだよ、と思って見上げてみると、確かに鬱陶しい薄曇りだ。
降るのか、降らないのか、はっきりしろと言いたくなる空だ。
434:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/12(火) 14:05:49.65 ID:7Trnb00oo
タカヤが先輩に告白したという話は、その日の昼休みに幼馴染を通して聞いた。
昨日のやり取りで先輩と二人きりになったとき、タカヤは先輩に話があると告げた。
そして今朝、先輩を呼び出して話をしたのだという。
435:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/12(火) 14:06:23.27 ID:7Trnb00oo
午後の授業を受けている間も、俺の頭からはあの二人のことが頭から離れなかった。
タカヤの態度は、それを思えばひどく自然で、落ち着いたものに思えた。どうして彼はあんなに平然としているんだろう。
俺はタカヤと先輩と、それから「みー」のことについて考えた。
436:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/12(火) 14:06:49.40 ID:7Trnb00oo
考え事をやめようとしても、ふと気付けばやっぱり考え事をしている。
そういう人間性なのかもしれない。
どうせ集中できないことだしと思い、俺は眠ることにした。教師の声には催眠効果がある。
437:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/12(火) 14:07:15.90 ID:7Trnb00oo
つづく
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