487:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/15(金) 17:19:26.31 ID:5bdoEDiwo
モスはそんな俺の様子を見て眉をひそめていた。
アキの友人(決していないわけではなかったらしい)も、俺との付き合いを決してよいものとは思っていなかったようだ。
その時期、俺は、幼馴染とも、妹とも、まったく話さなかった。
アキは帰り道で手を繋ぐのが好きだった。俺は毎日、かなり遠回りして彼女を家まで送った。
雪の降る冬の日もずっとそうした。それは安らぐ時間だったが、結局破綻した。
「わたしのこと、好き?」
と、アキは何度も聞いた。そう確認しないと落ち着かないとでもいうように。
実際、彼女は些細なことで不安になった。俺が誰かと話したり、目を合わせたりしたことに気付くだけで、何度も何度も追及した。
おそらくは彼女にも、そうなるだけの理由はあったのだと思う。不安になってしまうだけの。
けれど俺は、その質問を向けられるたびに忘れていた棘が痛むような気持ちになった。
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