過去ログ - 妹「なぜ触ったし」
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509:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/16(土) 08:43:21.61 ID:lYp+dXcSo

「何があった」

 と担任の高田は言った。奇妙な顔だった。怒っているようにも困っているようにも見える。
 生徒指導室のそっけない机に向かって、俺と茶髪は並んで座っている。
以下略



510:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/16(土) 08:44:05.00 ID:lYp+dXcSo

「どうしてあんな騒ぎを起こしたりした?」

 別に騒ぎを起こしたかったわけじゃない。周りが勝手に騒いだだけだ。

以下略



511:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/16(土) 08:44:32.18 ID:lYp+dXcSo

 高田は溜め息をついた。学年主任は額を掻く。茶髪の担任が口を開いた。

「お前が何かちょっかい出したんだろう」

以下略



512:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/16(土) 08:46:01.15 ID:lYp+dXcSo

 俺たちが口を割らないものだから、教師たちも困り果ててしまったようだった。
 結局話の進展はないまま、今日はとりあえず帰れ、という向きになる。後日連絡する。まぁそんなものか。
 窓ガラスに関しても弁償はしてもらう。折半。と高田は言った。

以下略



513:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/16(土) 08:46:34.89 ID:lYp+dXcSo

 モスだけが、ただ黙っている。
 俺は不意に思い出した。

「なあ、モスさ」
以下略



514:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/16(土) 08:47:07.20 ID:lYp+dXcSo

「そりゃ、くだらないことで他人に軽蔑されることはない。でも、俺は軽蔑されて当たり前なんだよ」

「……何があったの?」

以下略



515:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/16(土) 08:47:42.24 ID:lYp+dXcSo

 まあいい。
 全部俺のせいってことでいい。実際、そんなようなもんだろう。
 
 俺は三人を教室に残して家路についた。モスは俺を引きとめたけど、追いかけてこなかった。
以下略



516:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/16(土) 08:48:09.51 ID:lYp+dXcSo

 俺はいまも、アキにしたようなことを繰り返しているのだろうか。
 モス、タカヤ、幼馴染。俺は彼らのことも、やっぱりどうでもいいと思っているのだろうか。

 どうなんだろう。分からない。まったく分からない。
以下略



517:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/16(土) 08:48:40.85 ID:lYp+dXcSo

 考えてみれば、考えたって仕方ないのだ。
 俺がアキにしてしまったことは、既に終わったことだ。
 いまさら掘り返して謝ったって、俺の気分が少しマシになる程度が関の山で、アキには身勝手にしか映らないだろう。
 
以下略



518:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/16(土) 08:49:18.93 ID:lYp+dXcSo

 茶髪は俺の大部分を的確に理解しているけれど、ひとつだけ大きな誤解をしている。
 俺にはたしかに欲しいものがあって、それが手に入らないから嘆いている。
 八つ当たりしたり自己憐憫したり馬鹿なことをやったりもした。

以下略



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