56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/26(土) 16:24:19.40 ID:yuDoQasso
「用事があって彼を探してたんですけど、面白そうなことになってましたね。いったいどうしたんですか?」
「――なんでもない」
「嘘ですね?」
俺は嘘をつくのが苦手だった。彼女は俺が嘘をつこうとする理由を考慮してくれない。柔らかな笑みを浮かべて追及する。
無遠慮なのだ。そういう関係性だったとは言えど、今まで距離があったのだから、少しは態度が変わってもいいはずなのに。
彼女の態度は以前とまったく変わらない。こういう奴なのは分かっているのだが。
俺が答えずにいると、彼女は溜め息をついて、拗ねたような顔をする。
「何か問題が起こってるんですよね? 教えてくれたら、協力してあげてもいいですよ」
協力、と彼女は言った。
好奇心は猫をも殺す。そして彼女は猫かぶりだった。
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