597:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/20(水) 14:35:27.77 ID:ug7JTQkno
もうすぐ冬休みなのだと思うと、不意になんだか走りたくなった。なんでか分からない。
グラウンドは運動部が使っていた。うーん、と思う。気持ちが落ち着かない。
そこに、茶髪が来た。
598:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/20(水) 14:35:55.30 ID:ug7JTQkno
「なあ、じゃあ走るか」
茶髪は言った。
599:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/20(水) 14:36:22.12 ID:ug7JTQkno
「じゃあ、俺もだ」
「何が?」
600:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/20(水) 14:36:49.13 ID:ug7JTQkno
「外周走ろう。どっちが早いか、競争な」
茶髪が言った。俺は頷く。
601:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/20(水) 14:37:15.62 ID:ug7JTQkno
立っていた場所をスタートラインにして走り始めた。コースは裏門から出て外を大回り。
校門の方に回ってそのまま学校の敷地を走る。それを十周。最後にスタートに戻る。
当然だけれど全力疾走を続けて走り抜ける距離じゃない。かといってペースを乱さずに走るなんてできる気分でもなかった。
602:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/20(水) 14:37:41.52 ID:ug7JTQkno
俺はいろんな問題から宙ぶらりんにされている気がする。なんだか浮かび上がっているような気がした。
別に負けたくないなんて思わなかった。ただ思い切り走りたくなった。なんとなく。休みになるし。
でも上手に走れなかった。手足が思うように動かない。
603:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/20(水) 14:38:07.20 ID:ug7JTQkno
俺は気付けば夕陽に向かって走っていた。今日の太陽はでかい。そう見えるだけかもしれない。
五周を越えたあたりでばてそうになる。もう歩いたっていいじゃないかという気分。
なんで五周にしておかなかったかな、俺の馬鹿。自分の能力をもっと把握しておけ。
604:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/20(水) 14:38:33.59 ID:ug7JTQkno
俺はかなり無様に走った。できるものなら軽快に走りたかったが、できないのだから仕方ない。
こんなに走ったってどうなるんだ。別に走るのをやめたってかまわないのに。
でも、なんか知らないけど走っている。ペースが落ちてきた。でもまあ、走っている。
605:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/20(水) 14:39:02.40 ID:ug7JTQkno
十周を終えてスタート地点に戻ると、妹がいた。敷地内なのに。それから幼馴染。タカヤ、モス。
先輩と、「みー」。タカヤ姉。
こいつら暇なんだろうか。
606:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/20(水) 14:39:28.52 ID:ug7JTQkno
足がうまく動かない。折り曲げることすら難しい。
「五周にしとけばよかった」
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