617:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/21(木) 14:44:59.15 ID:/ODgI8HQo
俺は何を言おうか迷った。
「つまり、昨日の「みー」は、お前と一緒にいたんじゃなくて、タカヤと一緒にいたの?」
618:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/21(木) 14:45:26.54 ID:/ODgI8HQo
幼馴染は用事があるといって早々に帰って行った。来週からは起こしにきませんよと言葉を添えて。
どうせ来週をやり過ごせば冬休みだ。好きなだけ眠りたい。
ベッドを這い出てリビングに向かう。もうすぐ休みになるのだ。
619:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/21(木) 14:46:26.23 ID:/ODgI8HQo
外は寒い。息は白い。このあいだ初雪も降って、街はいよいよ冬めいている。
「どこに行こうか」
620:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/21(木) 14:48:12.45 ID:/ODgI8HQo
とりあえず街に出る。何の目的もなくぶらつく。そういう日がある。
何もこんな寒い日に、とも思うのだが、夏は暑いし冬は寒い。春は花粉、秋だって十分寒い。
出かけない理由なんて、いつだって山ほどある。
621:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/21(木) 14:48:40.46 ID:/ODgI8HQo
「なんていうか、悪かったな」
「なにが?」
622:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/21(木) 14:49:25.39 ID:/ODgI8HQo
「別にいいよ。アホでも」
妹はマフラーに口元を埋める。
623:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/21(木) 14:49:56.96 ID:/ODgI8HQo
「だってその人は兄さんじゃないから。当たり前だけど」
どうして、こんな話をしているんだろうと、不意に思った。
624:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/21(木) 14:51:01.26 ID:/ODgI8HQo
「でも、だから、兄さんが寂しいときは、傍にいてあげたいって思うよ」
不意に、強い感情が胸を衝いた。
俺は何を言えばいいんだろう。なんだか涙が出そうな感覚。
625:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/21(木) 14:51:29.29 ID:/ODgI8HQo
「いいけどね、別に」
妹は言う。
626:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/21(木) 14:51:55.37 ID:/ODgI8HQo
どこにも入る気が起きなかったので、適当に町はずれの喫茶店のドアをくぐった。
前々から気になっていたのだけれど、入る機会がなくて、ずっと素通りしていた。
喫茶店に入るなんて、なんだかきざったらしいような気がしたのだ。
627:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/06/21(木) 14:52:22.09 ID:/ODgI8HQo
「ふうん」
妹は、さして思うところもなさそうに頷く。
納得したようではないが、なんだか、気まずそうな顔をしている。
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