816:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:52:22.23 ID:B/yKFTgZo
幼馴染とアキの視線が絡み合う。
そこには何かの感情の応酬めいたやりとりがあるようにも見えた。
視線だけでお互いの考えを見抜き、そして見透かされたような。
817:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:52:48.45 ID:B/yKFTgZo
けれど俺は、アキに声を掛けるべきじゃなかったのだ。
「会いたかったんだって。電話でも言ったでしょ?」
818:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:53:14.58 ID:B/yKFTgZo
「何の話を、してるわけ、お前は」
「べつに。でも……」
819:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:53:42.49 ID:B/yKFTgZo
「おんなじなんだよね、結局」
何が、と言おうとしたとき、幼馴染が振り絞るように声を出した。
820:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:54:09.18 ID:B/yKFTgZo
アキは面食らったような顔をしたが、やがておかしそうに笑い始める。
こういう奴だった。俺は思い出す。こういう奴だったのだ。
相手が怒れば笑い、泣けば笑い、相手が笑えば怒る。
821:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:55:03.10 ID:B/yKFTgZo
「わたしはあなたと、話したいんだけどな」
「自分の気持ちが相手の迷惑になるなら、自分が我慢するべきだって思わない?」
822:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:55:29.94 ID:B/yKFTgZo
「ああ?」
と俺は間抜けな声を出す。どうしてそうなる?
823:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:56:02.37 ID:B/yKFTgZo
「だってさ、あなた、あの子のこと好きじゃないでしょ?」
「……何言ってんの、お前は」
824:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:56:52.04 ID:B/yKFTgZo
「教えてあげる。わたしだってこの一年、努力はしてきたんだよ。たくさん」
彼女の息は白い煙を伝って音となり、俺の鼓膜を揺する。
825:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:57:18.73 ID:B/yKFTgZo
殴られたような衝撃を覚える。
強く認識する。
なにひとつ終わってなんかいないのだ。
1002Res/524.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。