82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/27(日) 16:14:24.74 ID:p4ie8nU5o
「昨日までの三日間、毎朝迎えに来たんですけど、妹ちゃんにもう向かってるって言われたんですよ」
全く知らなかった。妹も言ってくれれば……いや、口をきいてくれなかったのだった。
それよりも、彼女が迎えにくると一言言ってくれれば、時間をずらすなり断るなりできたというのに。
83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/27(日) 16:15:14.03 ID:p4ie8nU5o
「着替えるから、リビングで待ってて」
「別に気にしませんよ?」
84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/27(日) 16:15:52.19 ID:p4ie8nU5o
妹は既に起きていたようだったが、部屋に引っ込んでしまったらしい。
リビングのコタツにはスイッチが入れられたままになっている。
俺はテーブルの上に置いてあったバナナの房から一本引き抜いて食べた。朝食。
85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/27(日) 16:16:33.05 ID:p4ie8nU5o
「まったりしましょう。待ち合わせは十時半だし、時間はまだまだありますね」
俺は睡眠時間として浪費するはずだった三時間を失った。
86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/27(日) 16:17:25.16 ID:p4ie8nU5o
「俺に、女の子の口説きかたを教えてほしい」
というタカヤの言葉に、俺たちはまず唖然とした。
次に混乱し、納得し、最後にまた混乱。
87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/27(日) 16:17:50.64 ID:p4ie8nU5o
モスの言葉に、タカヤは真顔で返した。
「真剣なんだ」
88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/27(日) 16:18:47.83 ID:p4ie8nU5o
「いや、でも、女子となんて、普通に話せばいいだろ?」
俺は女子とろくに話ができない自分を棚に上げて言った。
89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/27(日) 16:19:21.79 ID:p4ie8nU5o
「彼女持ちの友人とか。それでなくても普通に女子と話せる男子くらいいるんじゃないの?」
「いない」
90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/27(日) 16:20:29.59 ID:p4ie8nU5o
「一度は相談してみたんだ。友達にも。でも上手くいかなかった」
「なんで?」
91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/27(日) 16:21:47.15 ID:p4ie8nU5o
考え込んでいると、不意に幼馴染が制服の裾を引いた。
俺は彼女の顔を見て、どうやらタカヤに聞かれたくない話があるらしいと気付いた。
俺たちふたりはモスとタカヤから少しだけ距離を取った。彼女はちらりとタカヤの方を見てから、俺に耳を貸すように指で示す。
92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/27(日) 16:22:21.45 ID:p4ie8nU5o
幼馴染はそっけない口調で話を続けた。
「モスくんはともかく、きみは巻き込むことになると思います。嫌だっていうなら断ってもらってかまわないんですが」
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