853:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/05(木) 17:05:55.67 ID:5zJPOgVlo
「それ、どういう意味です?」
俺は言えなかった。その言葉を自分で言うのは、ひどく白々しいことだと思えたからだ。
彼女は呆れたように言う。
「わたし、きみのことが好きですよ。たぶん、とっくに気付いてるでしょうけど」
体のどこかがずきりと痛んだ気がした。どこなのかは分からない。胸でもないし頭でもない。
それでもたしかに、どこかが痛んだような気がしたのだ。
「でも分かってます。きみは、あの子が好きなんですよね」
「アキとは……」
「そっちじゃない。あの子なんて」
他人のことを吐き捨てるような、幼馴染にしては珍しい声だった。
あるいは。
その態度は、伏せていただけで、彼女の中では自然にあったものなのか。
俺が勝手に、彼女は「そういう言い方をしない」と思い込んでいただけか。
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