856:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/05(木) 17:07:58.87 ID:5zJPOgVlo
「でも、これでおしまいです」
と彼女は言った。影をひそめていた恐れが、俺の心を支配する。
“おしまい”なのだ。
「ごめんなさい。ずっと黙っていられたら、平気な顔をして、応援できたらよかったんだけど」
ごめんなさい、と彼女は言った。
「もう行きますね。今日はごめんなさい」
彼女は立ち上がった。俺は立ち尽くす。ゆっくりと、彼女が俺の横を通り過ぎていく。
俺は振りむこうとした。でも振り向けなかった。
虫が良すぎたのだ。
何もかも失わないままでいたいなんて。
1002Res/524.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。