857:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/05(木) 17:08:31.13 ID:5zJPOgVlo
ふと、頬にふれた雪の冷たさに、はっとした。
気付けばあたりは暗くなっている。夜が来た。もうそんなにも時間が経っていたのだ。
どうしよう、と俺は考える。
でも、よく考えずともどうしようもないことがわかった。
幼馴染には何も言えない。何を言えるだろう。実際、彼女の言う通りなのだ。
俺には彼女より好きな人物がいる。
それだけで俺は彼女に対して何も言えなくなってしまう。
家に帰ろう、と俺は思った。とにかく今日は眠ってしまいたかった。
アキがいるのではないかと危惧したが、家の傍までもどっても気配はない。今日は帰ったのだろう。
どうして今日、家に来たりしたのだろう。連絡も寄越さずに。唐突に。
俺は疲れ切った。家に帰って、妹の顔が見たかった。
たぶんそれは現実逃避だ。俺は何も考えたくない。
将来のこととか、自分のこととか、自分が何を望んでいるかとか、ぜんぶ考えたくない。
保留にしたまま過ごしていたいのだ。保留のままでは満足できなかったくせに。
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