293:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/07/24(火) 20:45:04.32 ID:9MT//PIDO
〜 数分後 〜
機械男子「お……おお……なんと精密な魔導回路……」
機械女子「す……すごい……精霊力のエネルギーゲインが正規ゴーレム兵の五倍も……」
木陰で機姫のウェポンラックをいじり続ける二人。
それを遠目に眺めながら狐教師は小さく息をついた。
狐教師「あーあー、オモチャを見つけた子供みたいに端っこへと運んじゃって……誰も取りはしないだろうに」
吸血女子「ちょうど昼休みの時間だからオッケーでは?」
狐教師「まあ、そうだけどね。……問題は向こうか」
狐教師は視線を機械族の男女から外し、もう一つのペアに合わせた。
魔王「そもそも、お前が遅刻なんかしなければ問題にならなかったのだ」
勇者「……すみません」
魔王「私は人助けをするなと言っているのではない。ただ自分の事を満足に出来ない者が他人に気をかまけているという事にだな……」
勇者「……面目ない」
狐教師の視線の先では勇者が魔王にこってりとしぼられていた。
吸血女子「あれは休み時間が終わるまで続くわね」
狐教師「ま、いいんじゃない? 授業には差し支えなさそうだし」
狐教師が気だるそうに言うと、吸血女子も「ふぅん」と気の抜けた返事をした。
吸血女子「でも、もう少しドロドロした痴情のもつれを見たかったわ」
狐教師「勇者君は誠実そうだからなぁ」
吸血女子「誠実というか命に関わっているというか……それより先生、部外者に図書館を開いてよかったんですか? まだ授業は終わってませんよ」
狐教師「んー?」
狐教師はゆっくりと空を見上げると、やがてどうでもよさげにポツリと言った。
狐教師「ま、いいんじゃない?」
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