61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/05/26(土) 00:34:27.79 ID:kzFRXxTDO
勇者「うおおーッ!!」
獣走者「く、うぅーッ!!」
2人の走者は拮抗していた。
獣男子「行けーッ!」
人男子「負けるなーッ!」
校門までの最後の一本道。
道の両側にひしめく男子生徒たちが、口々に声援を飛ばしてくる。
勇者と獣走者の2人は、男子生徒たちが作る声援の花道のただ中をひたすらに駆け抜けていた。
獣走者「バ、バカな! なぜ人間が獣人と張り合えるのだ!?」
勇者「ふん、そんなの決まっている!」
獣走者「な、なんだ!? 言ってみろ!」
困惑に揺れる獣走者に、勇者はさらりと答えた。
勇者「獣人も人間も関係ない。お前は大切なツレを賭けに出し、オレは大切なツレを手放したくなかった。
ただ、それだけだ」
勇者が、地面を蹴る自分の脚にさらに力を込める。
勇者の体が一歩、獣走者の前へと踊り出た。
獣走者「う、うああーッ!」
拮抗はそれまで。
勇者の加速は止まらず、獣走者を瞬く間に引き離す。
そして──
吸血女子『ゴールイーンッ! 勇者! 勇者です!
勇者が獣走者を下し、一着で校庭にゴールインしましたーッ!!』
やかましく、騒がしい、終幕を告げる歓声が校庭に響き渡った。
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