252:青い空、黒い雲[saga]
2012/12/09(日) 18:20:13.64 ID:sOOdj8xN0
下駄箱まで着くと雨の音が一層大きくなった。
「んじゃまあ、さっそく相合傘といきますか!」
「うん。さやかちゃんが傘持ってくれる?」
「はいはい、まどかは背がちっちゃいからねー」
「酷いよお!これでもちょっと気にしてるんだから」
「ごめんごめんって!ほら、行くよ」
可愛らしいピンク色の傘をさして一緒に歩き出した。
こういう天気の悪い日でも使い魔や魔女を探しに行った方がいいらしいから、家に帰ったあとでまたマミさんと待ち合わせをしなきゃいけない。
ふと見上げた空は、どこまでも厚く暗い雲に覆われていて、ずっと止むことはないんじゃないかって錯覚を覚えるほど。
まるで、雨まで黒に染められたみたいに世界が澱んで見える。
こんなんじゃ、いつになったら青空を拝めるのやら。
酷く振りつける冷たい雨の中を一人で帰るのは、きっと辛いんだろうなと思って、一瞬だけあいつの顔が浮かんだ。
そしてすぐに頭から消した。
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