775:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:34:57.32 ID:yCz6151q0
「今朝、中沢君が突然校庭にできた大穴に落ちて全治2か月の怪我をしてしまいました。皆さんもあの穴には近づかないように」
落ちたのはどうやらクラスメイトの中沢らしい。
彼が落ちたことはどうでもよいことだが、なぜ穴ができたのかについては原因はわかっていないらしい。
776:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:36:28.80 ID:yCz6151q0
「よ、よろしくお願いします!」
無事にまどかの自己紹介が終わり、戸惑いながらも彼女があるべき席へと向かっていった。
謎の液体は消え去り、歪みはなくなった。
何事が起きた形跡も見当たらない。
777:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:37:37.13 ID:yCz6151q0
転校生というものはやはり珍しいらしく、周囲の視線はまどかへと向けられ、恥ずかしそうにしているのが後ろを向かずとも分かる。
久しぶりの見滝原はどうかとか、名前のことだとか、そんな他愛のない話をした。
歩を進める音が大きくなるほど、私たちの距離が離れていく。
778:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:38:42.98 ID:yCz6151q0
…***…
同じ頃、佐倉杏子が早弁をしようと弁当箱の包みを広げていた。
「あんたまた早弁? そんで昼にまたパンとか買うんでしょ」
779:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:40:23.14 ID:yCz6151q0
私は焦っていた。
まどかが全く元に戻ろうという気配がないのだ。
まどかの瞳が黄金色に染まり、魔法少女たちを救済してきたあの目に戻ろうとしている。
このままでは間に合わなくなってしまう。
780:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:41:17.74 ID:yCz6151q0
…***…
同じ頃、巴マミは慌てて自分の教室に駆け込んできた。
次は音楽の授業ということで移動をしていたのだが、資料を鞄に入れたままにしていたのだ。
781:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:42:09.45 ID:yCz6151q0
これでも駄目だというの?
流石にこの世界を形作った際の歪みそのものを正すには、この程度では足りないということなのかしら。
髪を結ったリボンも解け、髪の毛も少し伸びてきたような気がする。
私は三度目の手を叩いた
782:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/06/08(日) 15:42:36.32 ID:nA2sLD+co
面白いww
783:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:42:49.34 ID:yCz6151q0
…***…
同じ頃、百江なぎさは同級生たちと一輪車に乗る練習をしていた。
しばらく病院通いだったなぎさは運動ができる方ではなく、友人たちの中で一人だけ一輪車に乗ることができないのだった。
784:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:43:43.55 ID:yCz6151q0
三度叩いても全く効果はなく、まどかは順調に世界の法則に飲み込まれていく。
こんなちゃちな叩き方では駄目なようだ。
恐らくどこかで不思議な事象が起こっているのかもしれないが、そんなことを気にしてはいられない。
785:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:44:38.81 ID:yCz6151q0
…***…
同じ頃、見滝原の小高い丘で一匹の白い獣が街を見下ろしていた。
猫のような耳から垂れる毛には、原理は分からないが金輪がくっついており、チェリーのように赤い瞳は、歪みと瘴気に溢れる空を映している。
786:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:46:15.24 ID:yCz6151q0
「ちょ、ちょっとほむらちゃん!?」
気が付けば、私はまどかに抱き付いていた。
私の力ではもはやどうしようもないと思うと、咄嗟に体が動いてしまったのだ。
787:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:47:24.75 ID:yCz6151q0
月明かりの夜。
クレーターが出来て大騒ぎになったという丘で、私は一人世界を見守る。
見守る、という言い方は語弊があるけれど。
歪んだものは直さなければならないから、こうして誰もいない見通しのいい場所でまどかが愛したこの街を眺めることにしている。
788:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:48:00.09 ID:yCz6151q0
だぁぁまあああありぃぃなぁぁぁぁさあああぁぁぁぁあぁぁあぁぁいぃぃいいいぃぃぃぃぃ!!!!!!!
789:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:49:04.20 ID:yCz6151q0
翌日、美樹さやかのスマートフォンがたまごっちになり、佐倉杏子が歩くたびにスココロロンという音がし、巴マミに求愛する鹿が奈良公園の如く現れ、百江なぎさを乗せた台車が高速道路を爆走したという話を聞いたが、どうでもいいことだった。
まどかが幸せならば、それで構わない。
「おはようまどうわぁっ!」
790:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:51:46.29 ID:yCz6151q0
「今日は皆さんに、大事なお知らせがあります」
先日不審物が爆発したらしい教室も、何事もなかったかのように元に戻っている。
歪みを直したついでだろうか。
791:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:52:22.45 ID:yCz6151q0
ヽ`
´
´.
__,,:::========:::,,__
792:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[saga]
2014/06/08(日) 15:54:52.67 ID:yCz6151q0
蚊がうるさいなと思ったら閃いた
しばらく忙しくて書いてなくてごめんなさい
793:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/06/08(日) 17:54:32.12 ID:hnqVkelI0
乙
794:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2014/07/01(火) 18:38:08.40 ID:dZUOJ/mVo
ほ
795:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage]
2014/07/16(水) 21:04:14.78 ID:ORadKs7C0
今週末更新めざします
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