447:幸せの味[saga]
2013/07/01(月) 23:12:50.36 ID:zo/zVMQg0
(でも、昔はおかわりできなかったっけ)
杏子は幼い日々を思い起こす―――――。
あれはいつの日だったか……。
杏子には妹がいた。
近所に友人と呼べるような同年代の子供はおらず、もっぱら二人で遊ぶのが日常だった。
公園で、
汗と泥に塗れながら遊び回った日々。
真っ赤に空が染まるころ、家に帰れば玄関からも分かる今日の晩御飯。
手を洗って来なさいと怒られ、
焦って席について、
母が皿にご飯を持ってくれるのを今か今かと待っている。
リビングに充満する匂いが何度も腹の虫を鳴かせる。
思わず、
家族に笑みが零れた。
そしてようやくありついたカレーの味は、
鍋一つで作れる、
子供向けに甘く、大人でも楽しめる辛さにブレンドされた―――
佐倉家の味……!
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