777:ぱるぷん手[saga]
2014/06/08(日) 15:37:37.13 ID:yCz6151q0
転校生というものはやはり珍しいらしく、周囲の視線はまどかへと向けられ、恥ずかしそうにしているのが後ろを向かずとも分かる。
久しぶりの見滝原はどうかとか、名前のことだとか、そんな他愛のない話をした。
歩を進める音が大きくなるほど、私たちの距離が離れていく。
これでいい。
今日限りでまどかに接触することはないだろう。
私の役目は、ひたすら歪みを直すだけなのだ。
「むしろ変っちゃったのはわたしのような……そう。わたしにはもっと違う姿、違う役目があったはず……それが、どうして」
「――っ!」
最も恐れていた事態が、唐突に発現した。
まどかが円環の理としての役割を思い出し、再びこの世界から逸脱しようとしている。
再び法則に取り込もうと、煌めく星々が冷たく見守る宇宙空間のような景色が広がっていく。
まずいまずいまずいまずい……。
これこそ最大の歪みじゃない。
私は一つ手を鳴らした。
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