178:第八章 王女編「友達どうし」 ◆a6qh.01v1w[saga !桜_res]
2012/06/06(水) 00:23:00.91 ID:P9OSEpsK0
「ある日、わたし聞ちゃったの、「お友達」の会話を…。
王女じゃなかったら、あんな高慢ちきは願い下げだって…
親が仲良くしろっていうから、付合ってるだけだって…
世間知らずの、変人の相手をするのも疲れるって…
ば…馬鹿娘は、適当に持ち上げておけば、いいんだって…
先のことが分かるなんて気持ち悪い、やっぱり化け物だって…」
「そんな、超ひどいです…」
絹旗は、それ以上何も言えなくなってしまいました。
「わたし、いくら船遊びしても、船酔いしたことないだよ」
姫は、悲しげに笑いました。
「でもあの日の夜、わたしは苦しくて悲しくて、吐いちゃった。
ああ、人って病気でなくても吐くんだ、って思った…」
「そんな超嫌な奴ら、追っ払っちゃえばいいんですよ!
なんなら、わたしが超追っ払ってやりますよ!」
絹旗は、勇ましく腕を振り回しました。本当に追い払う気のようです。
「それはできないよ。
わたしに追い払われた人は、その人の両親はどうなるの?」
「そんな、超やな奴らのことなんか、考えてやることないですよ」
「お父様はいってた。
『王族は我の望みではなく、民が望むことをなさい』って」
「自分のやりたいこと、しちゃいけないんですか!? 超姫さまなのに!」
「わたしはもう、自分がどんな人間なのかも、分かんない」
姫は、ふーっと、ため息をつきました。
389Res/237.72 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。