過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」2
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15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/06/05(火) 01:15:00.37 ID:Awj1Gu8/o

「私には、ほむらちゃんを地獄の底から引きずり上げる力なんてない」

 それを拒絶と捉えてしまうのは、自分の失われた心が脆弱だからだろうか。

 失われた魂がその事に傷付き、激しく痛むのは自分が甘えているからだろうか。

 無いはずの心と魂の奥底にある醜い感情が浮き彫りになるのをほむらは自覚した。

「私だけじゃ、あなたを救い出せない。――だけど、みんながいるから、ほむらちゃんがいるから」

 まどかは表情を崩して朗らかに笑うと、もう一度左手を差し伸べた。

「あなたが、私のことを思って何度も繰り返したこと、私は知ってるから」

 さらにもう一度、今度は肩を入れるように身体を傾けて左手を伸ばす。

「あなたが辿った歴史を、奪ってしまった人生を、私は見たから」

 自分でも気付かぬ内に、ほむらは左手を伸ばしていた。
 虚無だけの空っぽの左手を。がらんどうの左手を。

「私はもう、一人じゃない。ほむらちゃんだってそう。私達は二人で一人だよ」



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