過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」2
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17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/06/05(火) 01:16:25.27 ID:Awj1Gu8/o

――あまりにも眩く、直視することを憚られる温かい光に晒されながら。

 ほむらはふたたび現世に舞い戻った。
 しっかりと形のある左手に、彼女の持つ魂の輝きを携えて。
 彼女の身体を覆っていた黒いつぎはぎの呪いが零れ落ちる。
 それはまるで、焼き尽くされた灰の中から蘇る伝説。不死を司る神鳥のように。

 ほむらは下を見た。
 数十メートル下に、まったく見覚えの無い灰色の大地が見えた。

 ほむらは上を見た。
 数百メートル上に、まったく見覚えの無い天使と魔鳥か蝙蝠の翼の姿をした“自分”が見えた。

 ほむらは隣を見た。
 そして強張らせていた表情を崩し、柔らかな笑みを作った。
 死が訪れようと共にあることを誓った親友――鹿目まどかと左手を繋いだまま、彼女はその瞳から雫をこぼす。
 隣にいるまどかは涙を流しながら、ほむらの背に回していた右手を耳元に寄せた。
 それに倣ってほむらも右手を耳元に寄せ、耳を澄ます。

 ……聴こえる。
 大勢の人の声が聴こえる。
 男も女も、子供も老人も。
 魔術師も能力者も、国籍も人種も関係なく、私達を励ます人々の声が聴こえる。

 私達の、ためだけに発せられた声が。

『ほむら!』

『ほむらちゃん!』

 凝り固まった身体を、暖かい光に埋め尽くされながら。
 わたしは二人の男女の声を聴いた。

 ずっと昔、もう何十年も前に聴いたことのある声。
 それまでずっと私のために尽くしてきてくれた、唯一無二の男女の発する響き。
 辛酸苦汁を嘗めることを強いられた日々に磨り減った、傷だらけの心を癒す思いやりに溢れた音色。

 ……あなたたちは、誰?



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