過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」2
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(神奈川県)
[saga]
2012/06/05(火) 01:16:56.87 ID:Awj1Gu8/o
考えている間にも光は収束していき、やがて薄れて消えていった。
それを見届けると、ほむらはまどかの顔を覗き込み、首を傾げた。
話を聞かせて、のポーズだ。意図を察してくれたらしいまどかはすぐに頷いてくれた。
「いろいろあったよ、ほむらちゃん。ほむらちゃんが魔女になっちゃって、みんな助けようと必死になってね?」
「ええ、それで?」
「それでね、マミさんの声がして、それからみんなの――きゃっ!」
無重力ゆえに、流れる風に吹き飛ばされそうになるまどか。
ほむらは笑みを浮かべると、そんな彼女の左手を引き寄せてあっという間に両手に抱えて見せた。
「ほ、ほむらちゃん!?」
「聞きたいことはあるけど、まずは降りましょう。しっかり掴まってて」
腕の中にある温もりを、もう二度と離さぬようにしっかりと抱き直しながら集中する。
思考を働かせ、魔力を用いて背中に翼があるイメージ作る。
イメージは現実となって、ほむらの背中に魔力で作られた翼がぐん、と広げられた。
風を翼で弾くように羽ばたき、灰色の大地に直進。ゆっくりと姿勢を立て直して、羽のように着地する。
けれども重力の干渉は無いままだ。ほむらは細心の注意を払いながらまどかを下ろし、周囲を見渡した。
「ここはどこかしら。見たところ、月というわけでも無さそうだけれど」
見渡しているうちに、ほむらは珍妙な格好の二人組みを捉えた。
赤いポニーテールの少女と、青いショートの少女だ。
二人は必死に地面に這い蹲りながら、こちらへ向けて近づこうと試みている。
「ここは君が創り出した結界だよ、暁美ほむら」
聞きなれた声が頭の中に響いた。
ほむらは華麗に足元を蹴って、無重力の中でくるりと振り返る。
目の前には、どういうわけかいつもと同じように地べたに座り込むキュゥべぇの姿があった。
「正確には君に人生を奪われた暁美ほむら達、かな。
しかし、おめでとう。こんな結末は僕にも予想できなかったよ」
「どういうこと、一体何が……私は救われた? 誰が救ったというの。まさかステイルたち?」
まさか、とキュゥべぇは言った。赤い瞳をじぃっと細め、まるで感情があるかのような仕草で彼は続ける。
「君達魔法少女を救ったのは、君達魔法少女が守り続けてきたもの――人類さ」
そう告げるキュゥべぇの瞳は、ここではない別の場所。どこか遠い、異国の地を見ているようだった。
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