過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」2
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57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/06/07(木) 01:22:04.73 ID:jiMDkYtfo

「つまり――君のご両親だよ」

 ……え?

 彼は酢昆布である方角を指し示した。
 私がその方向に目を向けると、見慣れぬ形をしたヘリコプターがちょうど着陸するところだった。
 その中から、二人の男女が寄り添いながら降りて来た。

 ……ああ。

「もちろん、厳密に言えば君の、ではなくその身体の暁美ほむらの、になるが……どうする?」

 どうする、と言われたところで。
 私には、どうすることも出来ない。

「まどかから聞いたよ。暁美ほむらの一人に、二人の事をよろしくと言われたそうじゃないか」

 ……そう。そういう意味だったのね。

「……まぁ、ここから先を説明するのは少し野暮かな。君が嫌ならお引取り願うことも出来るが」

「いいえ、大丈夫よ。……ありがとう、ステイル」

 私は小さな声で礼を言った。
 彼はどういたしまして、と言うと私に背を向けて歩き出した。
 その姿を見送りながら、私もまた、歩き出す。

 ……結界の中で聴いた二人の声は、そういうことだったのね。

 私は降りて来た二人の顔を見つめながら、震える足取りで前へ進む。
 姿を見るのはこれで何年振りになるのだろう。
 たぶん二〇年……いや、二五年ぶりだ。

 二五年振りに見た私の両親の姿は――記憶のまま、何も変わってなどいなかった。
 私は震える足に力を入れて、走り始めた。



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