12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2012/06/11(月) 19:54:19.21 ID:mM4hAfqU0
「あー、そういえば、姉ちゃん、綺麗な人と付き合い始めてたね。
でもまー、良かったんじゃないの?
元々さ、澪ねぇと姉ちゃん、性格的に合わなかっただろうし。
新しい恋を応援して身を引くていうのも、親友の努めってものだよ」
白々しく諭す聡に、澪は激しい怒りの念を覚えた。
聡さえ居なければ、その思いが沸々と強くなってゆく。
「聡は、私と律より、律といちごの方が合ってると思う?
ああ、いちごってのは、律の新しい恋人の事な」
澪は一歩一歩、聡に近付きながら言う。
その際、人通りの有無を確認する事も怠らなかった。
「正直に言えば、そうだね。
まぁ澪ねぇには、もっといい人が見つかるから、元気出しなよ。
ていうか元々、姉ちゃんと澪ねぇって、付き合ってるように見えなかったし」
聡が答え終わった時には、もう澪は聡の眼前にまで接近していた。
「ああ、それで。それでお前は、不要な事をしてくれたのか。
私と律の仲を引き裂いたのか」
「えっ?何言ってるのみっぐぼぉっ」
聡の言葉が、途中で無様な呻き声に変わった。
聡の鳩尾へと、澪が素早く拳を打ち込んだからだった。
澪は容赦する事なく、無防備に浮いた聡の顎へと拳を突き入れた。
「っ」
聡の口から荒い吐息が漏れ、その身が地へと崩れ落ちる。
更に澪は、聡の喉元を革靴の爪先で蹴り込んだ。
「っ、はっ、っ、はっ」
聡の口から、苦しそうな絶え絶えの呼吸音が響く。
その口を片手で塞ぎつつ、澪は聡の身体を抱え上げた。
「やっぱり姉と弟、律と同じく、軽いね。
さ、少し静かにしてような」
姉と弟、その自分の言葉で、澪は聡の顔立ちが何処となく律と似ている事に気付いた。
鬘が無駄にならずに済みそうだと、澪はそう思いながら自分の家へと急いだ。
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