過去ログ - 真「ここは……」やよい「……どこですかぁ?」
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27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海・関東)
2012/08/16(木) 03:03:33.66 ID:7atUN79AO


しばらくして、ふとサラリーマンが何やら思い切ったような語調で、真とやよいに質問を投げかけてきた。

「あの、こんな状況で失礼ですがお二人の名前を伺っても、よろしいでしょうか?」

(………やっぱり知ってたんだろうな)

大物、とまでは行かないまでも真もやよいも、ある程度は名前を世に売り出しているアイドルだ。
サラリーマンも、そしてこちらを凝視している金髪の女性も、口に出す勇気が無かっただけで知ってはいたのだろう。
自尊心や自信などではなく、サラリーマンの反応から真はなんとなく分かっていた。
溜め息を吐いてから、仕方なく真は自分の名前を明かすことにした。

「……菊地真です」

「……た、高槻やよいですー」

真が自己紹介をすると、やよいも恐る恐ると自己紹介をした。

「や、やっぱりそうだったんですね!お二方は765プロの……」

「そ、そうですけどー……」

途端に興奮し始めたサラリーマンの様子に、やよいがやや引き気味になると今度は別のところから黄色い声が飛んできた。

「えっ、菊地真くんに高槻やよいちゃん?マジで本物!?」

声の主は、今まで黙って三人のやり取りを見ていたギャルだった。

「あ、はい、そうです」

「そう、ですけど……」

「えウソ、マジ!?真くん超カッコいいー!!」

「あは、は。ありがとうございます」

こんな時でも、引きつりながらも思わず営業スマイルが飛び出る。
追っ掛けに追われて黄色い声を浴びせられるのが日常的な真にとって、興奮するギャルは、非日常的状況の中に日常が溶け込むような、不思議にも多少の安心感を覚えた。
カッコいいと言われていい気がしないのは相変わらずだが。

「……あの、ボクもあなた達の名前を、聞いておきたいんですが」

「松本千佳って言いますー」

真っ先に答えたのはギャル、もとい松本の方で、サラリーマンはその後に続いた。

「私は筑川幸喜です。よろしく」

「あ、はい。よろしくお願いします」

「あーん、もうなんでこういう時にケータイ点かないんだろーせっかく真くんと会ったのに写真も撮れないじゃん……」

おもむろに自分の携帯をかちかちといじりながら独り言を言うギャル。

「あ、あははは」

一般人に余計なことを言うと日頃の追っかけがより面倒なことになってしまう。
担当のプロデューサーそう言われていた真は松本に対して笑うことしかできなかった。




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