過去ログ - QB「魔法少女達の軌跡」 -SS速報VIP

過去ログ - QB「魔法少女達の軌跡」

↓ 1- 覧 板 20

271:都市伝説[saga　sage]
2013/03/31(日) 17:53:10.67 ID:6njxlwwu0

１.暗躍する悪魔仲介業者。

「ふざけないでよ！　こんなの、ルール違反じゃない！」

　足訪市のとある公立中学校。その放課後の屋上で、二つの人影が言い争っている。

　否、正確に言えば、声を荒げているのは片方だけだった。

　この学校の制服を着た少女。彼女は向かいに立つ人物を憎憎しげに睨み付けている。

「ははぁ、ルール違反」

　その視線の先に立つのは、まさしく怪人であった。

　身に纏っているのは漆黒のローブ。ところどころ擦り切れてボロボロのそれは、どこか死神の装束にも見える。

　フードを深くかぶってその顔は窺えないが、声の性質からすると怪人の方もどうやら女性であるらしい。

「しかしそうは申されますが、当方といたしましては違約を犯した、という認識は無いのですよ」

「何を――！」

「当方と貴女が交わした"契約"の内容は三つ」

　相手の言葉を無視して、怪人が指を三本立てる。

「ひとつ、当方は願いを三つ叶える悪魔を呼び出す。
　ふたつ、その悪魔と契約させてさしあげる代わりに、願い事をひとつ当方に譲渡する。
　そして最後に、このことは他言"有"用――最低でも一人に、当方のことを紹介すること」

　説明するごとに指を折りたたみ、最終的に手がグーの形になると、怪人はこれ見よがしに嘆息して見せた。

「当方はきちんと悪魔を呼び出し、貴女様はその悪魔と契約なさいました。
　お友達の紹介もして下さいましたしたよね？
　ああ――そちらが当方に譲ってくださる願いは"みっつめ"ということなので、
　まだふたつめの願いが残っている現状では、契約は完全履行されてはいませんが」

「ふざけないでって言ってるでしょう！？　大体、願いを叶えるって――」

　制服の少女は声を張り上げる。その声音には、紛れもなく恐怖の色が混じっていた。

「――あの悪魔、願いなんて叶えなかったじゃない！」

<<前のレス[*]｜次のレス[#]>>

305Res/285.38 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ