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過去ログ - QB「魔法少女達の軌跡」

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273:都市伝説[saga　sage]
2013/03/31(日) 17:54:58.48 ID:6njxlwwu0

「……ふ、うふふふ」

　その背中に、狂気を孕んだ掠れ笑いが投げかけられる。

「……」

　面倒なことになった、というような表情を浮かべ、怪人が振り返る。

「割に合わないわ。ねえそうでしょう？　人を殺しちゃって、それで魂まで奪われるなんて、詐欺ってもんじゃない？」

「さて、貴女様の価値観を当方は理解しえませんので。
　それに一応言っておくと、魂を奪うといっても死ぬわけではありませんよ？
　一時的な倦怠感、精神的な落ち込みというのが主な症状で。
　まあ寿命が減ってたりもするかもしれませんが、元の寿命がどのくらいだったのかしらなければそれも――」

「私ね、願いはまだ一つしか使ってないの」

　間接的にでも、人を殺してしまった――そんな重責に、ただの女子中学生が堪えられるわけも無く。

　精神を病んだ制服の少女は、くすくすと笑いながら怪人に指を突きつけた。

「せめて、責任はとって貰わないと――」

　制服の少女の隣の空間がゆらりと歪んで。

　次の瞬間、少女に従うように、異形の怪物が傅いていた。

　黒く、不潔に弛んだ肌。ねじくれた角。蝙蝠のような翼。

　それは紛れも無く、名前を聞けば誰もが想像するような御伽噺の悪魔の姿だった。

「願いの悪魔！　二つ目の願いよ！」

　悪魔が立ち上がる。見開いた目は血のように赤く染まり、開いた口からは蒼く粘る唾液がこぼれた。

「あの糞野郎をぶち殺せ！」

　悪魔は主である制服の少女の願いを叶えるために、翼を広げておぞましくも咆哮し――

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