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過去ログ - QB「魔法少女達の軌跡」

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277:都市伝説[saga　sage]
2013/03/31(日) 18:00:51.61 ID:6njxlwwu0

「……確かに、この街の行方不明率は異常です」

　海外対応のスマートフォンを片手で操作しながら、ずず、とアイスコーヒーを口に含む。

　表示されたのはとあるオカルトサイトだった。この足訪市で起きた事件を、怪談風味にまとめている個人サイトだ。

　人の不幸を娯楽にしてるという点で悪趣味ではあったが、しかししっかりとしたソースを元にしており、創作にかける情熱は本物らしい。

　そのサイトによれば、確かにこの街では奇妙な事件が多発していた。

「都市伝説には元があって、その元を警察が排除できていない……ってことは、これは本当に"異常"ってことで」

　異常。

　常とは異なる。つまり普通ではないということ。

（……魔女？）

　その可能性が真っ先に思い浮かぶが。

　ミュッセは首を振った。そんな筈は無い。

　無論、この事件の内のひとつくらいは魔女絡みなのかもしれない。

　だが事件の趣は多種多様に及んでいた。仮にこれら全てが魔女の仕業だとしたら、この街には夥しい数の魔女が潜んでいるということになる。

　基本的に魔女は大量発生したりはしない。使い魔が人を食って魔女となるにも、それなりの時間が掛かる。

　それにこの地域を縄張りにしている魔法少女がいる筈だ。結果として、魔女の数というのは一定以上にはならない。

　――その、筈だ。

「まだ情報不足って感じですが……分かってることが一つ」

　この街には不幸があり、そしてそこに自分がいる。

　ならばやるべきことはひとつだけだろう。

　ハッピーエンド至上主義の少女は決意も新たに立ち上がった。颯爽とアイスコーヒーを飲み干し――

「……げほっ、げほげほっ！」

　――そして、咽た。

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