過去ログ - セイバー「問おう、貴女が私のマスターか?」禁書目録「え?」
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978: ◆ecH57LqR9PZC[saga]
2014/02/16(日) 20:03:22.33 ID:jVUzki1T0
「最初からお前は胡散臭かったぜ…………」

「随分鼻が利くようだな、それ、合ってるぞ」

躊躇いの中、二人を観察する。
既にキャスターは魔力の枯渇で存在を失せていて、ゆっくり異界は崩壊に向かっていた。

「あのときもそうだ、お前に言われてマスターの部屋を、嬢ちゃんの部屋を襲撃させ、その上で召喚までさせたな」

「あの時点ではこの街に魔術師が少なくてな、効率良くマスターを埋めるにはそれしかなかった」

もう隠す気もない会話。
もとはるはあのとき既にランサー、ステイルと話をつけていたんだろう。

『まー、悪いけどそいつを殺して貰っちゃ困るんだにゃー』

『はぁ? 殺して貰っちゃ困るって何を―――ちっ!』

この会話だ。
記憶の中に残る二人の会話。
ランサーはもとはるに言われマスターを殺しに来ていたはずなのに、彼自身がそれを否定するような演技をしてみせたのだろう。
そして私をセイバーのマスターとして配置した。

「うちのマスターが巻き込むなって言ってた嬢ちゃんを巻き込んで、そして今度は裏切りだぁ?」

「……………………」

もう魔力も枯渇、遠からず消える運命にある槍兵ではあるが、彼は思い足を引きずりながらもとはるに向かっていく。

「さすがに許されねぇだろ、そりゃよ…………」

槍を構え、怒り、ではなく悲しそうな顔で彼は進む。

「マスターがよ狂いかけてるのは解っていたさ、でも…………思いは汚れてはいなかった」

最期の一撃を下すために。

「だから俺は気が乗らないなりに手を貸してたんだよ」

紅い槍をもとはるに向ける。

「俺は聖杯に託す願いなんかないからな、別にどうでも良かったさ、面白い奴らと戦えたし」

そして―――。

「だから、俺はこれで消える、思い残さず、お前を殺して、だ!」

―――その槍をもとはるに向けて、彼の怒りは動きを止めてしまった。
彼が槍を向ける一瞬前、小さな声、そして魔力が弾ける音がした。

「令呪を以て命ずる、ランサー、俺に従え」


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