過去ログ - P「お前の夢にはついていけない」律子「……そう」
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108:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/19(日) 23:52:43.01 ID:vMSRXzRQo
「……もういい」

「え?」

 二度目の呟きは、律子たちにも聞こえていた。食いしばった歯の隙間から押し出すような、重く強い響き。

「もういいって言ってるの!」

 ばしん、とテーブルを叩いて、夢子は立ち上がり、きっと涼をにらみつける。その目尻に光るものがあった。

「秋月さん。申し訳ありませんでしたっ!」

 ばっと激しい動作で頭を下げ、そのまま顔を背け、走り出す夢子。
 呆気にとられたような空気の中で、最初に動いたのは律子であった。怒りを込めた口調で、涼に向かって叫ぶ。

「莫迦! 追いかけなさい!」

 その言葉に弾かれたように地面を蹴る少年の前に立ちふさがる影があった。長い髪を揺らし、彼女は、大きく手を広げて、涼が進もうとするのを
妨げている。

「待って」
「あ、あずささん?」
「ここは私に任せてくれないかしら。涼ちゃんが行くのは逆効果だと思うわ」

 きっぱりとあずさは言い切った。この人物には珍しく、硬い表情で、彼女は断言している。ばつの悪そうな涼の顔とあずさの思い詰めた表情を
見比べて、律子は小さく息を吐いた。

「わかりました。……申し訳ありませんが、お願いします」

 任せて、と小さく笑って、彼女は走り去った。


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