過去ログ - P「お前の夢にはついていけない」律子「……そう」
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24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/06/24(日) 22:29:57.25 ID:mPrEAa4Zo
「ほら、あんたたちのユニットって、王道路線じゃない?」
「そうですかね? ……んー、そう言われれば、そうかも」
「そうなのよ。春香、雪歩、やよい。みんな可愛らしいし、アイドルとしては正統派じゃない。私や千早みたいな変則的なのじゃなくて」
「えへへ、かわいらしいなんて……」

 ひとしきりもじもじと照れたところで、彼女は、はっと気づいたように顔をあげる。

「でも、律子さん? 変則のほうが売れちゃってますよ!」
「それは、正直、美希の961移籍で、リソースを集中しなきゃいけなかったって面があるからね。限りある資金の中では、私らみたいな、
はまればうまく行くタイプにかけるしかなかったのよ。いまは違うけど」
「はあ……。そうなんですか」

 そうなのよ、と律子は声に出さずに頷く。

 美希の961移籍とプロジェクトフェアリーの存在は、当時の765プロにとっては頭痛の種であった。
 フェアリーが売れれば売れるほど、美希を――『そこそこのアイドル』程度にしか――売り出せなかった765の無能が証明されてしまう。
 高木社長の黒井社長に対する意地だとか、所属アイドルたちの美希への思いだとか、そういったものとは別に、765プロはどうあっても
フェアリーを打倒しなければならなかった。

 律子は事務を担当していただけに、そういった事情も知っていて、千早と共に美希たちを倒すための戦いの矢面に立ったのだ。
 そのために、他のプロジェクトがいくつかぽしゃったことを、彼女は知っている。
 そして、春香たちも、知っていいころだろう、と彼女は考えていた。なにしろもう全て終わったことなのだから。

「ともかく、ある程度自由にお金も動かせるようになったいまとなっては、あなたたちのユニットは765の顔になっていく存在なの。
まあ、大事って意味ではみんな大事だけど、その中でも、765プロの指針を示す位置っていうのかな」
「じゅ、重要なんですね」

 しっかりと自分たちの立ち位置を説明され、春香はその可愛い顔に緊張をみなぎらせ、身震いする。律子はそっと彼女の肩に手をかけた。


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