過去ログ - P「お前の夢にはついていけない」律子「……そう」
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70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/07/14(土) 17:42:05.57 ID:5zWTHaLqo
「なに……これ……」

 気まずそうな顔の亜美から雑誌をひったくるようにして取りあげ、765プロの特集とも言える記事を読み進めていく律子。
 だが、その青ざめていた顔は、段々と恐怖だけではない複雑な感情に覆われていった。

「私の後継者云々……とか言ってる割に、後半は単なるアイドルたちの紹介になってない、これ?」
「ええ。たぶん、それ、後半は普通にうちの事務所について調べて書いた記事だと思うわ。それじゃインパクトがないからって没にされたか、
されかけたかしたんじゃないかしら」

 不思議そうに問いかける律子に、彼女は、おそらくは律子たちにその雑誌を提示する前から考えていたのだろう予想を展開する。

「私が引退したのを受けて、前半の扇情的な部分をくっつけて、書き上げたってわけ? ありそうな話ねえ……」
「でしょ」
「えっと、あの……大丈夫なの、律ちゃん、いおりん」

 内乱などという煽り文句を読まされるだけ読まされて立ちすくんでいた亜美が、おずおずと声をかける。

「ああ、ごめん。置いてけぼりにしちゃったわね」

 涙さえ浮かべそうな不安げな亜美の表情に、律子は彼女の幼さを改めて認識する。悪戯盛りの元気っ娘ではあるが、子供だからこその繊細さも
持ち合わせているのだと。

「ええとね、なんだかすごい煽り文句だけど、中身はそこまでひどいことは書かれていないわ。私が引退して、その分ファンを獲得するべくみんな
動いてますよっていう程度……。うん、まあ、ちょっと過激に書いてるけど」
「そうね。『氷の歌姫』と『魔術師』なき765プロに残されたのは小粒なアイドルたちばかり……ってくらいよね」
「ぶー、なにそれー!」

 亜美が抗議に手をぶんぶん振るのに、律子は苦笑し、伊織はすました表情を崩さなかった。

「まあ、その程度言われるのは、気にもしてられないわ。そうでしょ?」
「そうだけどさー……」


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