過去ログ - P「お前の夢にはついていけない」律子「……そう」
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(神奈川県)
[saga]
2012/07/14(土) 17:47:02.76 ID:5zWTHaLqo
「答えたくありませんか?」
「いえ、そうでもないんですが。なんと言えばいいのやら……と」
「素直に全部言っちゃえばいいんです」
ぴしゃりと言う小鳥の様子に、男は小さく笑う。それから、グラスに口をつけて、ぐいと酒を喉に流し込んだ。
「そうですね。俺があいつに惚れてたからでしょうね」
「それなのに、ですか」
「だからこそ、ですよ」
男は言葉を止めたくないというようにテンポ良い口調で続けた。
「プロデューサーとアイドルの間に恋愛関係……あるいは擬似的なそれが生まれやすいのは小鳥さんもわかってると思います。守ってあげたくなる
ような可愛らしい年頃の女の子と、頼りになる――少なくともそうあるよう努力している――年上の異性。お互いを意識しないわけがありませんからね。
実際に行動にまで移すのも、業界では珍しいってほどじゃない」
「結婚しちゃう人たちもいますからね。批判はされますけど」
「そうなったら外野の声なんて関係ないですよ。それはともかく……。ここからは俺の考えでしかありませんが、そもそも恋も出来ない相手を売り出す
ってのは、難しいですよ。その意識の浅深はあるでしょうが、プロデューサーってのは、アイドルに恋しているものだと、俺は思ってます」
小鳥はなにも言わない。ただ、チーフプロデューサーに向けられる視線は、とても優しい。
「俺は律子に恋してました。もう、思春期のガキかってくらい惚れてました。色々と我慢するのが苦しいこと苦しいこと」
だって、あいつも俺に好意持ってくれてることくらい、膚でわかりますからね、と彼は思い切り渋面を作って言った。
その表情がおかしかったのか、小鳥はころころと笑う。
「でもねえ、小鳥さん」
グラスに残っていたトム・コリンズを飲み干して、口内をさっぱりさせてから、彼は一気にぽんぽんと言葉を吐き出した。
「あいつはほんっとうに面倒な女なんですよ。褒めれば怒るし、かといってけなせばへこむし、すぐ調子に乗るし、俺に黙って動いたりもする。
なによりも、他の子なら、素直に俺の先導に応じてくれるんですけど、あいつだけはだめです。
俺が何歩か先に行ってあいつを待っていようとすると、無理してでも追いついて、追い抜かそうとするのが律子ってやつです。無茶な提案をしてきて、
その提案の粗を俺が指摘できないと怒るってな具合ですからね。自分をしっかり持ってる伊織や貴音でさえ、そんなことしませんよ。
俺はプロデューサーなんですから」
くすくすと笑いながら、チーフは続ける。先程、プロデューサーの仕事の醍醐味を語っていた時と同じような楽しさが彼の表情に宿っていた。
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