過去ログ - P「お前の夢にはついていけない」律子「……そう」
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94:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/08/09(木) 21:54:54.36 ID:ZWtIHh/+o
「しかし、やられたわねー……」

 業界でも権威あるとみなされている芸能雑誌ViDaVoの最新号を開きながら、律子は苦笑を漏らす。彼女が持つそれを横から覗き込んでいた美希が、
口をとがらせた。

「チーフの人、渋谷で一緒に見た時はとぼけてたんだ。ひどいの!」
「しかたないでしょ。同じ事務所とはいえ、極秘のプロジェクトをばらせるわけないもの」

 地団駄を踏む美希に、伊織が冷めた声で応じる。それにむっとしたのか、美希は律子の横から離れて伊織のほうへ近づいていった。
 そのまま喧嘩のような、それでいてじゃれているような言い合いに入る二人を、少し困ったような表情で見つめつつ、あずさは小首を傾げた。

「でも、とっても印象的だわ。あの宣伝は私でも気になってたくらいですし」
「双子が交替でアイドルしてました、なんて一歩間違えばスキャンダラスな話ですけど、それをインパクト重視で押し切りましたね。もう亜美たちの
話題でもちきりですよ」

 実際に、律子が持っているViDaVoは亜美と真美の特集にかなりのページを割いている。
 会見の二日後にロングインタビューを載せた雑誌が出て来るあたり、チーフはじめこのプロジェクトに関わる人間はとても周到に事を運んでいた
ようだった。

 困ったような嬉しいような表情の律子に、あずさはにっこりと微笑みかける。

「亜美ちゃんたちにとってはよかったわね」
「ええ。個人的にはうまくいってよかったと思ってます。でも、デビューをすぐ後に控えている竜宮小町としてはまずいですね。元からのソロが三人
集まったじゃ、これまでいなかったはずの真美の話とは衝撃度合いが……」
「違いますねえ」

 さすがにこれは苦笑して受けるあずさ。
 普通なら一線で活躍している三人がユニットとしてデビューとなればそれだけで話題になるのだが、状況が状況である


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