51: ◆aSQx.z3IE/pB[sage]
2012/07/02(月) 20:48:06.51 ID:Urniug5z0
夕方頃、またメールの着信が有った。
『お久しぶりです先輩。私が居ない間に浮気とかしてませんか?』
付き合って無いし、久しぶりって程メールの間隔もあいていない。
薄々感づいていたが彼女は頭の螺子がちょっとトんでいるんじゃないだろうか。
引越し疲れなのか俺は居間で携帯を開いたまま寝てしまった。
ピンポーン
それからどれ位がたったのか解らないが太陽の傾きから恐らく夕方だろう。
インターフォンの音で目が覚めた俺は玄関へ向かう。
「はい、どちら様で……!? え……えっ、何で!?」
扉をあけると立っていたのは後輩だった。
「はい、これお土産です 」
笑顔で2つ重ねられた箱を差し出してくる。
「何? 何で来たの?」
「どうぞお土産の熊肉です」
俺の質問には答えずグイグイと俺に箱を押し付けてくる彼女は相変わらず気持ち悪い笑顔だ。
「いや、いらない。 いや本当に何で俺の家知ってんの?」
「教えてくれたのは先輩じゃないですか」
キョトンとした顔で言うが俺は教えていないし、教えてくれと頼まれたとしても教えなかったと思う。
熊肉の下にあった箱はバターサンドだったらしく、彼女はちょっと残念そうな顔をしながら鞄にお土産を仕舞った。
「教えてない」
「でも、携帯持ってますよね?」
「持ってるけど……」
「だからです」
「どういう事……?」
俺の疑問には答えず彼女はお土産を仕舞った鞄からゲーム機を取り出すと何やらピコピコと電子音を鳴らす。
誤魔化すにしてももっと自然な方法が取れないのか……。
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