過去ログ - 零児「……東方新世界」　霊夢「第二章、ね」 -SS速報VIP

過去ログ - 零児「……東方新世界」　霊夢「第二章、ね」

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485: ◆NamCapMdYU[saga]
2013/04/19(金) 13:09:15.17 ID:d0T2n6Bgo

パチュリー「それは、私の知らない彼女だった」ｸﾞｲｯ

零児「……」

　椅子から浮き、零児へと近づき目を凝視する。
　気だるそうな表情のままなのに、その言動は積極的。
　その瞳に宿すのは……。

パチュリー「レミィは信条を曲げたのよ」
　　　　　　　　ここ
パチュリー「幻想郷に来る前に持っていた、彼女のやり方を捨てたの」

零児「……」

パチュリー「……。私は、そのやり方に従う義務がある。だけども、その為にはこの体が重荷なの」

パチュリー「彼女を守るために、彼女に守られなきゃいけない不甲斐ないこの体が……にｋ……げほっげほっ」ﾄﾞﾝｯ

零児「！」ﾀﾞｯ　　ﾄｽｯ

　だがその興奮が、身を蝕む。
　日頃なら分かっていて抑え込めるのだが、今日はそれを忘れてしまう。
　疎ましいその体質は、魔法使い仲間の知恵を実践しても効果が薄かった。

パチュリー「げほっ……げほっげほっ！」

小悪魔「ぱ、パチュリー様！　大丈夫です……」

零児「それは後だ。それより早く、水を持ってこい！」

小悪魔「あ、はい！」ﾌﾜｯ

パチュリー「ゼー……ゼー、げほっ」

零児「……辛いかもしれないが、顎は上げるんだ。気道を確保したほうが、すぐ楽になる」

パチュリー「ゼー……ヒュー……」ｼﾞｯ

　薬品を調合する方法は、材料が安定して手に入らないため断念。
　自動人形の類は小悪魔（召喚）で事足りると興味なく。
　そして、肉体を強化する術は心身ともに不適合。

咲夜「水をお持ちしました、パチュリー様」ｶｯﾁﾝ

零児「貸してくれ。……ゆっくりでいい。飲めるな？」

パチュリー「……」ｺﾞｸｯ

零児「……」

　なぜか？
　全て、彼女の許容量の限界に寄るものだ。
　虚弱で素質のなかったあの頃から変わらない、現実の体。
　『賢者の石』がなければ、ただ賢いだけの弱い“人外”。

咲夜「どうぞ」ｶﾀｯ

零児「ああ。浅く座らせる、ぞ」ﾌｯ

パチュリー「……っ」ﾎﾟﾌｯ

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