過去ログ - 平凡女と平凡男
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31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [saga]
2012/07/09(月) 17:54:10.59 ID:FQsz2o680
「ありがとね、いろいろと…。」

旧友が唐突に俺に礼を言った。

改まってなんだ、とカレーを急いで喉に流した。

「ん…、唐突に改まってどうした。」

旧友は短い箸でたこさんウィンナーをつんつんしていた。
何恥じらってんだよ。

「僕…君がいなかったら、台本なんて書こうとすら思わなかったと思う…。」

顎を引いたまま、上目でこちらを見る旧友からは

彼なりの強い意志みたいなのを感じた。

「何だよ、別に俺がいなくても書けるだろ。お前ならさ。」

俺の言葉を聞いた旧友は、血色のいい頬を更に赤く染めた。

今日のカレーはいつもより甘い。

「やっぱり、そんな風に言ってくれる君のおかげかな…。」

「お、おぉ…、そか。どういたしましてだな…。」

素直な言葉をバンバンぶつけてくるので気恥しくなった俺は

カレーに集中することにした。

旧友も恥ずかしくなってきたのか、ようやく弁当を食べ始めた。

しばらく、沈黙が続いた。

が、その沈黙は机をとんっと叩く音で破られた。

「お二人さん、ちょっといいかな。」

ホームルームで聞きなれた女子の声だった。



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