2:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/06/29(金) 06:18:46.06 ID:VnDjIfXUo
ボクはよく喋る。
喋ることは自分を守ることだからだ。
黙っていたら、相手は勝手にこちらのことを想像する。
もっと黙ってたら、勝手な想像は少しずつ悪い方へ向かう。
喋らなければ、そのレッテルも覆せない。
3:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/06/29(金) 06:19:16.13 ID:VnDjIfXUo
ねぇ、キミ
「……」
横に座るキミが、ボクの方を向く。
4:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/06/29(金) 06:19:45.74 ID:VnDjIfXUo
「おい、山口。ここの数式を解いてみろ」
数学教師がボクの名を呼んだ。
ボクは立ち上がり頭を掻き、ホワイトボードを眺める。
分子と分母にある数字よりもアルファベットの方が多い物を数学と言い張るのはどうかと思うのだが。
5:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/06/29(金) 06:20:12.77 ID:VnDjIfXUo
キミは、いつもと変わらずそこにいた。
ボクの気配に気付くと、キミはこちらに向かって走ってきた。
胸元へと飛び込んできたキミをそのままの勢いで高い高いすると、キミはにっこりと笑った。
よかった、元気みたいで
6:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/06/29(金) 06:20:38.73 ID:VnDjIfXUo
くもり、だったなーと
キミはくもりが嫌いなのだ。晴れでも雨でもない感じが、雨より嫌いだと。
ボクの言葉に、キミは辺りを見回して、少し不機嫌な表情になった。
どうやら今まで気付いていなかったらしい、悪いことをしてしまったかな?
7:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[sage]
2012/06/29(金) 06:21:04.89 ID:VnDjIfXUo
とりあえずこのぐらいで
書き溜めはしたりしなかったりなんで大した期待はせずに待ってネ
8:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/06/30(土) 17:47:03.77 ID:gwpd/9xMo
「部長!」
放課後の教室で佇んでいると、ボクを呼ぶ声がしたので振りかえった。
そこにいたのは、ボクの部活の後輩の女の子。
9:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/06/30(土) 17:47:30.38 ID:gwpd/9xMo
「っ!」
顔を真っ赤にしながら、後輩ちゃんは指を素早く引いた。
だが指は引かせても後輩ちゃんの勢いを引かせることは出来なかったらしく。
10:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/06/30(土) 17:47:58.26 ID:gwpd/9xMo
「お、部長連れてきたのか!」
「ぶいっ!」
どうやら既に他の部員は集まっていたらしい。
11:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/06/30(土) 17:48:25.41 ID:gwpd/9xMo
「設定、考えてきてもらえました?」
もう一人の後輩くんが、携帯とボクを交互に見ながら訊ねてくる。
後輩ちゃんはと言うと、ボクをガッチリとホールドした状態だ。背中に何も感触が無いのが実に寂しい。
12:卵かけご飯する者 ◆ZZgvzQZhlY[saga]
2012/06/30(土) 17:48:54.58 ID:gwpd/9xMo
でもやっぱりここまで見せつけられると、自然と言葉が出てしまう。
もう二人で作っちゃえば、いいんじゃない?
ボクは少し皮肉っぽく言ってみる。
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