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2012/07/04(水) 05:20:46.65 ID:WPhllUuW0
絢辻さんの家の前
縁「詞ちゃん!待ってたわ。あら、橘君もいるじゃない。」
絢辻「お姉ちゃん、今日は遅くなるんじゃなかったの?」
縁「急な話なんだけどお父さんとお母さんが仕事の関係でしばらく家を留守にするみたいなの。そして私も大学の関係でしばらくの間、遠い所にいくことになったの。どっちも急に決まったことだから、それを詞ちゃんに伝えようと思って急いで戻ってきたのよ。」
絢辻「…ふーん、そうなんだ。みんなしばらくいないんだ。」
橘(絢辻さん、ちょっと淋しそうな顔してるな。いつも自分の家族の話題に関して苦手にしてた感じをしてたから、こんな表情になるのに少し驚きだな。家にいるときは一人でいる方がまだ落ち着くみたいなことも以前言ってたし)
縁「詞ちゃん一人でお留守番ってことになるけど、家に女の子一人にさせるのはいろいろと不安があるわよねえ、誰か詞ちゃんと一緒にいてくれる人がいればいいんだけど…あら、そういえば橘君がいるじゃない。」
橘「へ?」
縁「詞ちゃんと一緒にしばらくこの家に住んでくれないかしら?」
橘「な、何言ってるんですか!? ひとつ屋根の下にお、お、おとこと一緒に年頃のお、お、おんなの子が住むなんて!」
絢辻「橘君、あたし一人になりたくない」
橘「そう言っても、僕の親が流石に許可しない…って、そういえば僕の家もしばらくの間、両親がいないんだよな。妹はいるけど。」
縁「あら、なら橘君の家に住んでもらえばいいじゃない。」
橘「いや、でも…」
絢辻「橘君! あたし、橘くんと妹さんには迷惑かけないようにするから。それから橘君の家の家事とかも手伝うわ。橘君が望むならあなたの言うことも何でも聞くわ。だからお願い。私を一人にしないで!」
橘(あ、絢辻さん…元々絢辻さんの家に勉強しに来た筈なのにどうしててこうなった。今の絢辻さんってやっぱり以前の絢辻さんじゃないんだよなあ。普段なら自分の不安をあまり他人に見せる人じゃないのに。今はその不安を隠さないで僕を頼ろうとしてる。こんなに一人になることを恐れているらしくない彼女を、たしかに僕も一人にさせられないなあ。)
橘「ダメ元で美也に聞いてみるよ。あいつ、今はもう家に帰ってると思うから。絢辻さんのお姉さん、電話借りてもいいですか?」
絢辻さんのお姉さんはいいよ、いいよと二つ返事で電話を借してくれた。僕の家に電話をかけると、美也がすぐさま出た。美也の知らない女の人をしばらく泊めるなんて許さないだろうなあと思いつつ、絢辻さんの事情を話した上でお願いした。
美也『いいよ。うちのこと手伝ってくれるんなら。それに困ったときはお互い助け合いだもんね。にっしししし』
あっさり、美也は承諾してくれた。
その後、僕は絢辻さんの外泊用の荷物、勉強道具などを運ぶのを手伝い、二人で僕の家へと向かった。
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