過去ログ - 梓「サナララ」
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28:猫宮[saga]
2012/08/02(木) 18:56:33.68 ID:SOU6xWSH0
「そのための『石ころ帽子』……?」


「うん……、そうだと思うよ……。
『チャンスシステム』に関わった皆の思い出を消すのは大変でしょ?
だから、システムを『ナビゲーター』と『対象者』だけの秘密みたいな形にするの。
そうすれば、お願いが叶った後、手広く関係者全員の思い出を消す必要も無くなるから。
そういう……システムなんだろうね……」


「じゃあ、前の『ナビゲーター』の人も……?」


「うん……、お願いが叶う前にね、
『私の事を憶えてたらプールで会いましょう』、
って約束したんだけど……、その人はね……、来てくれなかったんだ……。
仕方が無い事だけど、ちょっと……寂しいよね……」


残念だな、って私は思った。
本当に……、凄く残念だ。
平沢さんが前の『ナビゲーター』の人と再会出来なかったって事だけじゃない。
私の中の平沢さんの思い出が残らないという事が、残念で仕方が無い。
平沢さんとはもっと仲良くなれる気がしてた。
こんな変な形の出会いだったけど、ひょっとしたら大切な友達になれていたかもしれない。
それくらい、私は平沢さんに惹かれていた。
だから……、とても……、残念だなあ……。

それともう一つ、困る事が出来て来る。
お願いが叶ったという事すらも忘れてしまうって、平沢さんはそう言っていた。
これは大きな問題だよね……。
お願いは叶った事を憶えているからこそ、それを生かす事が出来るって私は思う。
例えば『チャンスシステム』お願いで大金を求めたとして、
その大金を得た理由の記憶を失くしてしまっていたら、本当に大切なお金の使い方は出来ないはずだ。
その大金を得たかった理由すら忘れてしまったら、そのお願いには何の意味も無い。
だとしたら、叶ったという事を忘れてしまっても構わないお願いにするべきだろう。
そんなお願いがあるのかどうかは私にも分からないけど……。


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