77:猫宮[saga]
2012/09/25(火) 18:51:27.71 ID:c2C+50ot0
しかも、律さん達の会話を聞く限り、
意外な事に『ふわふわ時間(タイム)』の作詞をしたのは澪さんみたいなんだよね。
背が高めで長くて綺麗な黒髪をした美人の澪さんの作詞した曲が『ふわふわ時間(タイム)』……。
意外だなあ……。
いや……、そうでも無いのかな……?
見た目と違ってかなり照れ屋さんみたいだし、ある意味、澪さんに合ってるのかも……?
とにかく、そんな感じでちょっと心配になって来ちゃったな……。
私の目指す音楽性とは全然違ってるけど、私の選択は間違ってないよね……?
この部を見学してて、大丈夫だよね……?
「先週から、放課後、さわ子先生の家で特訓してるからな!」
「多分、間に合うんじゃないかと」
私を安心させるためじゃないのは分かっているけど、
そんな和さんに向けられた律さんと澪さんの優しげな声を聞くと、私の心も少し落ち着いた。
律さん達が唯さんの事を信じてるんだったら、私も唯さんとこの部の事を信じよう。
天才の憂ちゃんが信じてるんだもんね。
きっと唯さんだって相応の実力を持ってるはずだよね。
話を聞く限り、人格にはちょっと不安が残るけど……。
瞬間。
唐突に軽音楽部の扉が大きく開け放たれた。
逆光の中には、二人の女の人が立っていた。
一人は前髪の右側を二本のヘアピンで留めて、髪を下ろした憂ちゃんとかなり似ている人だった。
うん、ギターを抱えてるわけだし、間違いない。
あの人が憂ちゃんのお姉さんで、この軽音楽部のギタリスト兼ボーカリストの唯さんだ。
唯さんが放課後にしていたという特訓が終わったんだろう。
それでこうして軽音楽部に姿を現したに違いない。
私は申し訳ない気分になって、憂ちゃんの方に視線を向けた。
不可抗力とは言え、お姉さんに自分の事を無視されるのが辛くて私の家に泊まっている憂ちゃんなんだ。
唯さんの姿を見て辛い気持ちになってるんじゃないか、って思ったから。
でも、私が視線を向けた憂ちゃんが見ていたのは、予想外にも唯さんじゃなかった。
憂ちゃんが見ていたのは、眼鏡を掛けて女性物のスーツを着た髪の長い人の方で。
憂ちゃんは驚いた様子で小さく呟いていた。
「えっ……?
キャサリン……さん……?」
キャサリンさん……?
あの髪の長い女の人の事なのかな……?
でも、外見は完全に日本人だよね。
この部室の中でキャサリンって名前が似合いそうなのは、あの人より紬さんの方だし……。
ひょっとして、芸名か何かなの?
あ、でも、唯さんと一緒に来たって事は、
あの人こそがさわ子先生って言う名前の唯さんを特訓してた人って事……?
ああ……、よく分からない……。
そう思いながら私が頭を抱えている間に、
キャサリンさん(?)の話が始まってしまっていた。
「待たせたわね……。
完璧よ!」
キャサリンさん(?)が自信満々に親指を立てる。
その様子を見る限り、やっぱりあの人が唯さんを特訓してたんだろう。
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