過去ログ - 【まどか☆マギカRPG】宇宙魔法少女キョウコ☆マギカ【２～魔法少女訓練編】 -SS速報VIP

過去ログ - 【まどか☆マギカRPG】宇宙魔法少女キョウコ☆マギカ【２～魔法少女訓練編】

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578: ◆Rf40X2USO7Yr[saga ]
2012/07/16(月) 23:52:05.35 ID:eU2UJ3xAO
［サクラ・シティ～地下書庫　十日目］

　用心しながら書庫の中を歩き回り、自分がいつも寝るのに使っている長椅子の前までたどり着いた時、アタシは呆気に取られて立ち止まった。

　そこには年格好はアタシと同じくらいの、黒くて端の跳ね飛んだ長い髪をした女の子が眠っていた。さらに近づいてよく見ると、両方の耳によく分からない形をした耳飾りのようなものを付けている。誰かが押し入ってくることを警戒する様子など全くなく、すやすやと寝息まで立てていた。

「キョウコ…？」

　たずねるようにユマが話しかけてくる横で、アタシはこの侵入者をどうしてくれようかとごく短い時間、思案していた。それから、不意にひどく腹が立ってきて、いつもアタシが使っていた毛布をかぶって寝ているその女の子の頭の傍らにある椅子の脚を、思い切り蹴り上げた。

　寝ているすぐ横で起きた鈍い大きな音に、さすがにその子も目を覚ましたようで、毛布にくるまりながらむくむくと起き上がってきた。

「…えーと、誰？」

「それを聞きたいのはこっちだ！誰に断って人の寝ぐらに入り込んで、人のベッド使って寝てんだよお前は！」

　怒鳴りつけてやったが、女の子はきょとんとした表情で、何が何やら分からないといった顔をしたままだった。

「あのね、ここはキョウコとユマのお家なの。勝手に入って来るなんて、あなた、もしかして泥棒さん？」

　ユマが厳しく聞いたが、女の子はけろりとして答えた。

「あたし？あたしはかずみだよ」

　それから、やや声の調子を落として、

「でもね、名前以外の記憶は全然ないんだ。昨日の夜ここを見つけて、面白そうなところだと思って入ってみたら、中がちゃんと住めるようになってたから、もしかしてあたしはここに住んでたのかも知れないと思って…」

「んな都合のいい話あるわけねぇだろうが！ここはアタシが苦労して住めるようにしたナワバリなんだよ！まったく、何考えてんだかこいつは…」

　アタシは怒りを通り越して呆れ返っていたが、この子のあっけらかんとした態度にどこか憎めないものを感じてきてしまった。

「ん？待てよ、入口の扉開けたのもお前なのか？」

「そうだよ？あ、そうそう、あたしね、魔法が使えるみたいなんだ」

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