過去ログ - 勇者「王様が魔王との戦争の準備をしている?」
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962: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2013/03/13(水) 11:24:08.92 ID:wBktaGLT0

 これは決して懺悔なんかじゃあない。私は九尾に許してもらいたくて、申し訳なくて、だからこんな特攻をしかけているのでは、決してない。
 これは純粋な善意なのだ。私が善意だなんて、ちゃんちゃらおかしい。所詮衝動の前でははかなく消えてしまう灯のくせに、確かにその感情は、私のこのクソみたいな魂の中に息吹があるのだ。

 胸を掻き毟りたい。そうして心臓を抉った先に、私の許されざる魂があるはずだ。それさえなければ、もしくは感情さえなければ。

 いっそ魔物になりたかった。どうしてこんな、感情の欠片があるんだろう。
 どうして両方を持ち合わせてしまったんだろう。

 ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう!

 辛いよぅ!

 視界が歪む。どっちだろう。涙か、枯渇か。

 伸ばした腕が何人目かもわからない人間の命を奪った。その腕にまとわりつく何か――恐らく、人間。
 反応が遅れた。そうしている間にも、兵士たちは私の腕へ、足へ、背中へ、手を伸ばしてまとわりついてくる。

 戦法を変えたのだとわかった。こいつら、私を殺すためならなんだってする!



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