過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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◆YHxtVKAHbw
[sage saga]
2012/08/01(水) 08:09:33.38 ID:BR3oCDRdo
桐乃がまた小説を書くと言い出した。
俺は例によって例のごとく取材と称して引きずられる運命となった。
という訳で着いたのは──
「なあ、桐乃」
「なに?」
「なんでまた皇居なんかに。皇室でも題材にするのか?」
「違うよ。あたしが見たいのはあくまで江戸城址」
江戸城、ね。
どうやら時代小説のようだ。
これなら危ない事を書いて不敬罪でしょっ引かれる事は無さそうだが。
現在地、堀の前の道路。
桐乃は現在の地図と古地図、江戸城の図面を見比べている。
「江戸時代の火事で無くなっちゃったけど、天守があったのはこの方向か……よし」
……この時点で嫌な予感がするのは気のせいだろうか。
桐乃はおもむろに紙袋を俺に差し出してきた。
「なにこれ?」
「ロケット花火」
ちょっと待てちょっと待てちょっと待て!
「城攻めのシーンを書きたいんだけどさすがに大砲、当時の大筒なんて用意出来ないから」
そういう問題ではない!
「それじゃ、あっちの方向にぶっぱなして」
「思いっ切り逮捕されるわ!」
皇宮警察本部マジ近衛兵(マジのマジで)。
ていうか皇居でなく他の城跡でも公共物に向かって花火を打ち上げたらマズイだろう。
「大丈夫。あたしは離れてるから」
「お前じゃなくて俺がだ!」
「その程度のリスクは覚悟してる」
「俺は覚悟できねーよ!?」
桐乃はチッと舌打ちし、
「使えねー……」
このシチュエーションで使える奴っているのか? と小一時間問い詰めたい衝動を俺は何とか押さえ込んだ。
「だいたい、取材って他にもあるんだろ? ここで俺が国家権力によって強制退場させられたらこの後どうすんだよ?」
桐乃はしぶしぶといった感じだがどうやら納得してくれたようだ。
「じゃあ、ここの取材は一番最後にする」
──前言撤回。
このアマ、全然納得してねー!
「最後でも俺はやらん!」
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