過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.13
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◆YHxtVKAHbw
[sage saga]
2012/08/01(水) 08:11:33.71 ID:BR3oCDRdo
しかし改めて見ると凄く綺麗なお姉さんだな。
大人の色気っていうのがムンムンしてる。
年齢は二十代半ばから三十代、店のプロフィールには二十二歳と書かれてるって感じ。
こんな美人があんな事やこんな事を──
「エロキモい」
「ハハハ、何言ってんだ桐乃。さ、飲み終わったら外に出るんだ。お茶代くらい払ってやるよ」
桐乃の背を押すようにして店の外に出し、レジで精算していると、先ほどのお姉さんが妖艶な笑みで近付いてきて、
「いつでもいらっしゃい。サービスするわよ?」
と耳元で囁きながら小さな紙を俺の手に握らせた。
紙を見るとお姉さんのお店での名刺だった。
本名ではないだろうが、お店での名前は……『みやび』……?
当然のことながらエロゲの妹キャラのみやびちゃんとは全く違う容姿だ。
しかしこの喫茶店には他にもお姉さん方はいらっしゃるのにピンポイントでこの名前の人にインタビューを敢行しようとしていたとは、桐乃の嗅覚おそるべしってところだな。
ひょっとしたら桐乃の脳内イメージによる花魁『みやび』に似ていたのかもしれない。
「あー、みやびさん、抜け駆けずるい!」
「わたしも!」
気付いたら喫茶店内にいるお姉さんたち全員(みんな凄い美人)から名刺を頂いていた。
それぞれ『いきな』『くいな』『しおり』『ファナ』だった。
この人達のお店のオーナーはエロゲオタか?
「おっそーい! 会計するのにどんだけ時間かかってんの!?」
店から出ると桐乃はお怒りモードだった。
「あー、この喫茶店のマスターにちょっと探り入れてたんだ。少しでもお前の取材に協力してやろうと思ってな」
口から出まかせ言うと桐乃は目をパチクリと瞬いて、
「へえ? あんたにしては殊勝な心掛けじゃん? なんか面白い情報あった?」
「いま店にいた女のお客さんはみんなそういうお店で働いている人たちだってさ。マスターから名刺貰った」
お姉さんたちから直接貰ったとは言えないので嘘を付きつつ桐乃に名刺を渡す。
俺がポケットに入れっぱなしにしたままお袋が洗濯しようとして気付く、なんて事があったら桐乃のオタバレイベントどころの騒ぎではなくなる。
かと言って仮にも名刺、捨てるのも忍びないので所有権を妹に譲渡したという訳だ。
桐乃は名刺の名前を見て、
「すごーい。オーナーさん分かってるねー」
心から感心しているようだ。
「でさでさっ! 他に何か分かった事ある!?」
大昔の少女漫画のキャラクターのように桐乃は目をキラキラさせた。
「あ、いや、これだけだけど?」
途端に「信じらんない」という表情。
「名前だけ分かっても意味無いじゃん!? もう一度聞いてきてよ!?」
いま店内に戻ったら、お姉さん方のお店に拉致されて回されたあげく法外な代金を請求されそうな予感がする。
「タダで聞けるのはこれだけだって。これ以上の情報は百万だってさ」
口から出まかせパート2。
半端な値段だと取材費なら出すと言いかねないが、この金額だとさすがに桐乃も諦めるだろう。
「そっか……。じゃあ仕方無いか」
百万あれば情報を聞くまでも無く実地取材を何回も出来るはずだろうに、なんで桐乃は気付かないんだ?
相変わらず妙なところで抜けている。
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